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-「金融業向け会計テンプレートfor mySAP ERP」単体決算システム本番稼動-

名古屋銀行、新会計システムの導入により決算開示にかかる日数を9日間短縮

「金融業向け会計テンプレートfor mySAP ERP」単体決算システム本番稼動

名古屋銀行ロゴ

昭和24年の創立以来、「地域社会の繁栄に奉仕する」ことを経営理念とし、堅実経営に取り組んできた名古屋銀行では、06年6月に就任した簗瀬悠紀夫頭取の指揮の下、東海地方の地域金融機関では初めての導入となる「ワンタイムパスワード」、振込み詐欺防止のため全国で初めて導入した「異常取引・不正口座検知システム」など、次々に新しいIT戦略を打ち出し、東海地方のIT先進銀行として情報化を推進してきた。

07年3月、これまで行ってきた手作業による決算業務を見直し、新システム「金融業向け会計テンプレートfor mySAP ERP」を導入することを決断。わずか6ヵ月間という開発期間を経て07年9月カットオーバー。07年9月期 中間決算開示までの期間を従来の52日から43日、9日間の短縮に成功した。

迫る決算開示の短縮化と日本版SOX法への対応、アカウンタビリティを果たすために

これまでシステム化に着手していなかった決算業務を見直し、決算システムの導入を決断した背景について、「法制度の変更を中心とする決算情報の開示の迅速性・正確性に対する社会的要請と、“IT頭取”の異名を持つ簗瀬が推進してきたIT戦略。このような環境にも恵まれ、新システム導入の決断に踏み切った」と名古屋銀行 総合企画部 主計グループ次長の漆崎繁徳氏は語る。

事実、金融機関をとりまく法制度はめまぐるしく変化している。07年3月期決算からは東京証券取引所の開示要領により期末日後45日以内の決算短信の開示が求められており、08年4月以降開始する事業年度からは金融商品取引法により四半期報告が施行される。さらに同法の一部規定(いわゆる日本版SOX法と呼ばれる規定)により、同09年3月期には財務報告に係る内部統制の法令対応(内部統制報告書および内部統制監査報告書の提出)が求められるのだ。

「これまで銀行の主計というのは、何十年もの間にわたって熟練の担当者の蓄積したノウハウで、煩雑な会計・決算処理を行ってきました。しかし、このままでは、蓄積したノウハウを活かしながら法制度が求める即時性、正確性、そしてアカウンタビリティ(説明責任)を果たすのは難しい。もう待ったなしの状況だと思いました」漆崎氏はこう振り返る。

システム選定のポイントは、「銀行業務への対応」と「豊富な実績」

新システムの選定にあたり、名古屋銀行では特に以下の2点に主眼を置いたという。

  1. 1.銀行特有の業務に対応できること
  2. 2.実績が豊富であり、必要に応じて機能を選択・追加できること

銀行における決算業務においては、一般の上場企業としての財務情報の公開とは別に、当局に対し決められた期日までに「決算状況表」と呼ばれる財務報告を提出する必要があるなど、より厳密な対応を求められている。しかも、銀行業務の特徴から、取り扱う勘定科目は約2,000にものぼり、これらをすべて適切に処理した上で公開・提出すべきデータを作成することになるのだ。今回導入した「金融業向け会計テンプレートfor mySAP ERP」は、決算システムに求められるB/S、P/L等の計算・出力等の機能の他に、当局に提出する決算業務帳表にも対応している点が選定の大きな決め手となった。

また、みずほ情報総研の「金融業向け会計テンプレートfor mySAP ERP」は、みずほ銀行をはじめとし、阿波銀行や広島信用金庫など20行以上の国内金融機関で導入実績があり、将来の制度変更等への対応も含めた安定した保守を見込める点も評価された。さらに、本システムの基盤となっている「R/3」は、世界各国で35,000社の導入実績を有することも選定ポイントの一つとなったという。システムは豊富な実績を有することによって、必要な機能のラインアップが充実し、かつ使い勝手も洗練される。そのなかから自社にとって必要な機能だけを利用でき、さらに他の機能が必要になった場合には容易に追加できるのだ。

システムの選定にあたっても、同行の視点は将来に向いている。漆崎氏は「業務やそれを支えるシステムは、現在の法制度に従っていればそれで良いというものではないのです。常に変化する経営環境や法制度に柔軟に対応できるシステム。新しいニーズが発生するたびにまた一から作るのは非効率ですからね」と語る。

07年9月期 中間決算を終えて

同行は新システム導入直後、9月期の中間期決算を迎えた。従来、決算情報開示までには、52日間かかっていたが、本システムの導入により9日間の短縮を実現し43日とした。
取締役総合企画部長の山本氏は、「開示までの期間を短縮できたことは、当初の狙い通りでした。ただし、私たちは早ければそれで良いとは思っていません。第一番に『正確な情報をお客さまにお伝えすること』。その上で『迅速にお伝えすること』。これが私たちの基本姿勢です」と語る。

また、「システム投資効果をスタート当初から十二分に発揮できたのは、導入支援企業であるみずほ情報総研様によるシステム要件定義、システム開発、事前テストに加え、約2ヵ月に渡り、3つの異なる会計期間(期末、中間、四半期)の過去の実データによる本番同様の操作と過去データとの検証を行ったことも(操作研修の兼ねていた)非常に大きく貢献している。更に、今後も同システムを使っていくうえで、後継者に対して開発機等を利用した操作研修も可能となっており、業務の共有化機能も有している。と付け加えた。

また、もう一つの大きな効果は「監査の効率化」だという。08年4月から日本版SOX法が本格的にスタートするが、同行の内部統制プロジェクトチームも早くから準備を進めてきた。従来どおり手作業による会計処理を行っていた場合には、人の手によってチェックを行う「マニュアル統制」が必要となり、莫大な工数がかかってしまう。ところが、システムを導入したことにより、システムのコントロールの有効性をチェックする「IT統制」に変更することが出来るのだ。IT統制はマニュアル統制に比べて格段に工数・時間が削減できる。システム導入により、人的なリスクを軽減できただけではなく、監査の効率化にもつながったという。

今後の展開

今後の展開について、漆崎氏は、「今回、一番核となる決算システムに着手しましたが、これで完了したとは考えておりません。すべての業務は最終的には決算システムに関係してきますので、これを機に周辺のインフラ整備を進めたいと思います」と意欲を見せる。

最後に漆崎氏は、名古屋銀行のIT戦略についてこう語った。

「名古屋銀行は、全国に先駆けて異常取引・不正口座検知システムを導入し、振込み詐欺を未然に防ぐなど、ITの分野においては、常に新しい取り組みを模索してきました。今後も、法の要請に対応するだけのIT化でなく、お客さまや社会の声をお聞きし、私たちの特徴を生かした地域金融機関ならではのIT戦略を進めていきたいと思っています」

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