東北電力グループ:社会からより信頼されるエネルギーサービス企業を目指し、情報セキュリティガバナンスを強化
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『新しい企業価値の創造』と『地域社会との共栄』の経営理念のもと、安全確保を最優先としたエネルギーサービスの提供に努める東北電力株式会社。グループ企業は57社を数え、2008年度の売上高は1兆8,432億円と、東北地方の地域経済および地域基盤を支える役割を担い続ける巨大企業グループとして、電力の安定供給、情報通信事業など新規事業分野への積極的進出など、成長に向かって前進する企業姿勢を常に保ち続けている。
その姿勢は、東北電力グループ全体に及び、グループを包含した成長を見据え、「お客さまから選択される複合エネルギーサービス企業」を企業グループ像とし、電気を中心としたエネルギー分野をコア領域に、最高水準のサービスを提供する付加価値提案型企業グループを標榜している。
成長戦略を描く一方、傘下に57社の企業を抱える巨大グループであるがゆえに取り組まなければならない課題が存在していた――情報セキュリティ管理である。東北電力は青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、新潟県の全7県に電力を供給、その契約数は700万口以上にのぼる。その顧客情報や設備情報は、当然、安全かつ安定的に管理しなければならないものである。東北電力単体では2002年10月に「情報セキュリティ基準」を制定、積極的な取り組みをスタートさせていたが、より一層の体制強化に向けて巨大な企業グループ全体を包含した情報セキュリティの管理体制の構築及び自律的な運用という課題に目が向けられた。東北電力がグループ企業のなかでも特に強く情報セキュリティ管理が求められる34社に導入したのが、みずほ情報総研の「情報セキュリティガバナンス構築支援サービス」である。
東北電力の決意
東北電力グループ各社では、今日、発電から電気事業関連設備の建設・保守、情報システム構築を含めた情報通信事業、不動産や電化システムコンサルティングを含む生活・ビジネス支援など、多岐にわたる事業を展開している。各企業の業態、事業モデルの相違もあり、親会社である東北電力はグループ各社の情報セキュリティ状況の一元的な管理がままならず、そのセキュリティ状況の把握から管理、運用に至るまでの一貫した支援サービスを待望していたという。

取締役情報通信部長
早坂栄二氏
「情報セキュリティマネジメント体制の構築は、当社独自では進めていました。しかし、当社ならびに34社にのぼるグループ企業を包括したマネジメントとなると、どこから手をつけるべきかと。当時は、グループ各社の情報セキュリティ状況も掴めておらず、各社の現状をどのように把握すれば良いのか、どう評価すれば良いか、そしてどう方向づけをすれば良いのかなど、ノウハウがなければ難しいと痛感しました。そこで、十数年におよぶ他の業務においてのコンサルティング実績、みずほフィナンシャルグループにおける情報セキュリティマネジメント構築や金融機関に求められる厳しい情報セキュリティに対応している実績を加味し、2006年、みずほ情報総研が提供するグループセキュリティマネジメント構築支援サービスの導入に踏み切りました」と語るのは、東北電力の取締役情報通信部長 早坂栄二氏である。
また、情報セキュリティマネジメントの国際規格である「ISO/IEC 27000シリーズ」および「IPA(情報処理推進機構)情報セキュリティベンチマーク(*)」を踏まえている点も、決め手になったという。
- *情報セキュリティベンチマーク
2005年3月に経済産業省が公表した「企業における情報セキュリティガバナンスのあり方に関する研究会」報告書において提言された、情報セキュリティガバナンスの実現を促す施策ツールを、IPAが自動診断システムとして開発し、2005年8月よりIPAのWeb上で提供しているもの。
サービス導入にあたって
「グループセキュリティマネジメント構築支援サービス」は、保有する情報資産の機密性・完全性・可用性を維持するために、システム・ネットワークなどの技術面、人(体制)面、物理(環境)面から対策を講じ、PDCA(計画(Plan)、実施(Do)、評価(Check)、是正(Act))サイクルを考慮しながら、グループ全体での情報セキュリティレベルの向上を図るものである。
「当初、グループ各社の取り組み状況にはバラツキがあり、多くの企業がPlan止まり。なかには、残念ながらPlanにも届いていない企業もありました」と、情報通信部課長の櫻井賢明氏は当時を振り返る。各社においては情報セキュリティに関する必要性を漠然と感じながらも、具体的な強化の手法やゴールのイメージがわかっていない状況であったという。

情報通信部
櫻井賢明課長
「情報セキュリティを論ずるには、企業グループ全体が共通かつ一体であることを全員に理解して貰わなければいけない。そのためにはまず、経営層がグループ全体で取り組むことの重要さを理解し、関与することが必要であると考え、経営層を責任者とした情報セキュリティ管理体制を構築しました。また、情報セキュリティに関する考え方をグループ全体で統一するために、情報セキュリティに関する企業グループ全体の共通のポリシーが必要ではないかと考えました」と櫻井氏。その成果が、同社が2007年4月に策定した「東北電力企業グループ情報セキュリティ基本方針」である。
しかしながら、多くのグループ企業には情報セキュリティに関する専任の要員、もしくは専門知識を有する人材がいなかったという。同セキュリティ基本方針を策定したことで、各社での情報セキュリティ強化に対する理解は得られたのだろうか。「企業ごとに理解の差はありますが、業態や事業モデルが異なるのだからバラバラで当然ではないか、なにが問題なのかという声もあがっていましたね。しかし、当グループには、とても真面目かつ真摯に業務に取り組む企業風土があります。ひとたび理解を得ることができれば、前に進むのです。そこで、まずは企業グループ全体で情報セキュリティ体制の構築に取り組む必要性を理解してもらうために、グループ企業は情報を共有している、共有している以上はグループ全体でセキュリティを重視しなければいけないということを徹底して説明し、経営層から担当者レベルまでの理解を得ていきました」と早坂氏。実際早坂氏も、同社内の情報戦略委員会においては、ことあるごとに今回の取り組みをアピールしていたという。

情報通信部
小野善弘氏
「情報セキュリティに関しては、グループ各社から専門的過ぎてよくわからないという声も少なくなかったのですが、みずほ情報総研が当グループの企業風土を理解し、我々と同じ目線で根気良く進めてくれたお陰で、専門家でなくとも一通りは理解ができるまでにレベルが上がりました。また、プロジェクトを推進する私たちにとっては他業務と兼務してのプロジェクトでスケジュールもタイトでしたが、常に先を見越して迅速に対応していただき大変感謝しています」と、担当者である情報通信部の小野善弘氏は話す。
「本当に、かなりレベルは上がったと思いますよ。当初は各社のレベルすらわからなかった事を考えると、かなり満足しています」と早坂氏は顔をほころばせる。東北電力グループでは、一通りの理解を得た後も、情報セキュリティのグループ内浸透を目的に全従業員向け教育(e-learning)や啓発活動(パンフレット配布など)により、全従業員の意識レベルを向上するための活動は継続しているという。「34社の実務責任者を集めた会議を年2度程開催し、そこで情報共有を図っています。横の連携がうまくいくと、今回のプロジェクトを遂行するにあたって浮上する悩みなども解決していくようです」(小野氏)。
「実はこれまでは、グループ全体での意識の共有化というような大規模なプロジェクトは実施していなかったのです。しかし、今回の取り組みによって、グループ企業間の風通しが良くなり、セキュリティを媒介にして副次的に各社が抱える経営課題や諸問題などの相談も入るようになりました」と早坂氏。各社の実務責任者も、それぞれの社内で仕事の価値や内容がわかってもらえるようになったと喜んでいるという。今回のプロジェクトは、縦横それぞれの連携を強化しただけではなく、グループ全体におけるコミュニケーションの活性化に繋がったようだ。
導入当初はPDCAのPlanでさえも危うい企業があったなかで、3年間でCheckまで到達した東北電力グループの情報セキュリティ管理。成功に向けての秘訣はなんであろうか。「責任者がきちんと重要性を認識し、折に触れてその重要性を説いていくこと。そして、経営幹部層からの理解を得ることでしょうか」と早坂氏。また、今回のプロジェクトに参加したメンバーが皆、高いモチベーションを持って取り組んだことも、成功の秘訣であると早坂氏は続けた。そのモチベーションの維持には「明確に目標を定め、その取り組み結果が数値化され見える化されたことで、その効果を実感することができたからだと思います」(早坂氏)。
今後の課題
「これまでは、全体のレベルを揃え、そして底上げを図ることに成功してきました。今後は、これまで実施してきた本社同士の取り組みに加え、情報をやり取りする各部門・現場同士での取り組みを強化していきたいと思っています。各企業には、やらされていると思わず、重荷に感じないでやって欲しいと思います」と早坂氏は締めくくった。
これまで、「東北電力企業グループ情報通信ネットワーク(S-WING;Security Wide-area Information Network for tohoku-epco Group)」を整備し、外部からの不正アクセスや情報漏えいなど、さまざまな情報セキュリティリスクに対応するほか、企業グループの全従業員を対象とした教育を実施するなど、徹底してセキュリティ対策を構築してきた東北電力。それでもなお、新たな施策に取り組む姿勢に、社会からより信頼されるエネルギーサービス企業であり続けようという強い意気込みが感じられる。
お問い合わせ
担当:広報室
電話:03-5281-7548
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グループ会社の頂点にある親会社が、「グループ各社の情報セキュリティ対策推進」という重要なマネジメントを行うに際して、マネジメント態勢の構築とその運用の支援を行います。


