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キーワードで振り返る2006年

2006年12月26日 コンサルティング部 吉川 日出行

2006年も終わりに近づき、今年一年を振り返る記事を数多く見かけた。日本では、ソフトバンク クリエイティブ主催のWeb of the Year 2006で今年最も支持されたサイトに“ウィキペディア”が選ばれ、米国のTIME誌はPerson of the Yearで“You(あなた)”を選んだようである。ここでは、身近な素材から企業内情報システムにおける今年のトピックスをキーワード的に簡単に振り返ってみたい。

振り返るにあたり、今年一年間の業界紙やIT業界向けの雑誌、そして関連する最近の各種調査結果に加えて、当社のホームページでのログをざっと眺めてみた。GoogleやYahoo!等の検索サイトから当社ホームページに来訪した人が使ったキーワードと、当社ホームページ内での情報検索に利用されたキーワードのランキングである。

今年、当社ホームページを訪れた方が使った情報システム関連のキーワードのうち、最も多かったのは「2007年問題」であった。実際、コンサルティングの現場でも団塊世代の引退に伴い組織内の各個人に蓄積された暗黙知が失われてしまうという状況に直面した企業からは、今年の初め頃から知識継承のための施策についていくつものご相談を頂いた。

この分野については、社内教育制度の充実やOJTによる技術継承とあわせて、KnowWhoデータベースの構築やイントラブログの導入といったIT活用まで幅広い解決策があるため、当社では戦略・人事系のコンサルタントからIT系のコンサルタントまで幅広いスタッフが知恵を結集して課題解決にあたっている。関連分野では「ナレッジマネジメント」や「eラーニング」も検索キーワードの上位にランクインしているし、ブームとなった「見える化」もこれと同じ類のキーワードだと言えるだろう。

ここ数年、継続的に情報システム部門に大きな需要をもたらしているキーワードは「システム統合」である。主に金融機関からはじまった企業合併や M&Aなどの事業再編とそれに伴う組織統合は、今年後半に入ってさらに加速した。これに伴い企業の情報システム部門は、複数系列の既存システムを分野ごとに統合するという作業に忙殺されている。大規模システムにおける統合作業は一度で完了しないことも多く、数回に分けての段階的統合が必要になることから、統合作業のバックログが積み増されて新規事業や新商品へのシステム対応が充分に出来ないという、経営的には非常に深刻な課題も持ち上がってきている例も少なくない。

そこで注目されるのは、今の時期に将来のシステムの統合や柔軟な拡張に備えて、システム全体を全体最適という視点から見つめ直す「EA(Enterprise Architecture)」の動きである。EAという概念は数年前から出現しているが、投資動向調査の結果などでも依然高い注目を集めており、その具現化に向けて「IDM(Identity Management)」や「BPM(Business Process Management)」の導入、「エンタープライズデータ統合」に着手する企業は来年ますます増えるだろう。

同様に新しいキーワードを派生させているのが、攻めのシステムとしての「SFA(Sales Force Automation)」や「CRM(Customer Relationship Management)」といったフロント系のシステムである。これらのキーワード自体はもう何度目かのブームを迎えているが、最近の景況改善にあわせて再度注目が高まっており、今後は特に「SaaS(Software as a Service)」や「シェアードサービス」など、システムを個別の企業内に持たず外部サービスを活用するという新しいビジネスモデルと組み合わせた形での再挑戦になりそうだ。

最後に忘れてはならないのが、セキュリティ、コンプライアンス関係のキーワードであり、こちらも一年を通じて関心が高く引き合いの多いテーマであった。今年の後半に日本版SOX法の実施基準案が公開されたこともあり、「内部統制」というキーワードの出現率は今でも非常に高い。来年も、先にあげた「見える化」とあいまって、「エンタープライズコンテンツマネジメント」「文書管理システム」といった具体的なシステムとなって情報化投資の対象となるだろう。

以上、非常に簡単ではあるが、企業内情報システムの今年一年を振り返ってみた。さてあと数日で2007年である。来年はどんなキーワードが流行る年になるのだろうか。上記にあげたキーワードがそのまま継続するのか、それともまったく新しいキーワードが現れるのだろうか。

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