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リユース市場の動向について

2010年9月9日 環境・資源エネルギー部 森口 健生

最近、よくリユースという言葉を耳にすることはないだろうか。一度使用された製品をそのまま再利用する「リユース」は、使用した製品を再資源化し、新たな製品の原料として利用する「リサイクル」とは明確に区別されるものである。リユースは新しい言葉のようにも聞こえるが、具体的には中古品の使用であり、もともと資源が少なく、「もったいない」という形容詞に代表されるように、物を大事にする文化がある日本にはなじみのある行為ともいえる。

循環型社会形成推進基本法の理念によれば、廃棄物処理の優先順位は、(1)発生抑制(リデュース)、(2)再使用(リユース)、(3)再生利用(リサイクル)、(4)熱回収、(5)適正処分とされており、リサイクルよりも優先順位が高いリユースの促進は循環型社会構築にとって非常に重要である。

リユースは、古くから地域内での不要品のバザー、古物商、質屋など、小規模のレベルでは行われてきたが、本格的な循環型社会の形成のためには、社会構造的にリユースの流れを構築することが望まれている。

リユース品の市場規模は年々拡大の一途を辿っている。例えば、経済産業省の商業統計によると中古品小売業(*1)の商品販売額は、1988年度には約425億円だったが、2007年度には約3,500億円近くにまで拡大している。

特に注目すべきはその成長率であり、1997年度までは年平均2.0%だったのに対し、1997年度以降は同13.2%と大きく上昇していることである。

中古品小売業の商品販売額および従業員の推移

中古品小売業の商品販売額および従業員の推移

出所:経済産業省『商業統計』

この1990年代後半以降のリユース市場の急成長の背景には、1990年代から続いた長期不況による経済的な影響によるところが大きいと考えられる。例えば、国税庁の民間給与実態調査によれば、給与所得者の平均収入は、1997年の467万円をピークに2006年には435万にまで低下している(*2)。これはリユース品の市場規模の拡大とほぼ同時期である。

また、消費者のリユース品に対する抵抗感が弱くなっていることも挙げられる。週刊東洋経済とgooリサーチが共同で行った「中古品についての意識調査」(*3)によれば、昔(5〜10年前)に比べての「中古品への抵抗感」について質問したところ、「もともと抵抗感がない」が33.4%、「昔は抵抗感があったが、今はなくなった」が33.1%という回答結果が示されており、リユース品に対する抵抗感が弱くなっていることが示されている。

また、1990年代後半以降、総合リユースのコメ兵やトレジャー・ファクトリーなど、チェーン展開を図るリユース品小売業が台頭してきたことも背景のひとつと考えられる。例えば、家具や家電、高級ブランド品などのリユース品販売を手掛けるトレジャー・ファクトリーは、2004年度の売上高は17億8,700万円だったが、2009年度は52億3,000万円と5年間で3倍近く成長しており、この不況下でも業績を伸ばしている(*4)。

新たに台頭してきたこれらのリユース品小売業は、属人的な目利き能力に依存しない買取制度や大量のアルバイトを導入することでチェーン展開や店舗の大型化を図るとともに、清潔感のある店内に品質の良いリユース品を陳列し、これまで店舗に来たことがない女性や高齢者を呼び込むことに成功した。また、これら台頭してきたリユース品小売業が2009年に設立した日本リユース業協会の調査によると、2009年度のリユース品の市場規模に対するシェアは参考値ながら36.4%に達している。このことからも、これらの新興勢力が市場拡大にもたらした影響の大きさがうかがえる。

リユース品年間売上高(2009年度)

企業名 年間売上高(百万円) 店舗数
直営店 FC店 合計 直営店 FC店 合計
アップガレージ 3,923 8,629 12,552 22 74 96
小牧 2,936 - 2,936 3 - 3
コメ兵 18,401 - 18,401 10 - 10
ゴルフ・ドゥ 2,658 6,361 9,019 14 63 77
ゴルフ・パートナー 5,005 8,238 13,243 91 167 258
セカンドストリート 19,632 2,955 22,587 257 44 301
タックルベリー 688 1,816 2,504 57 105 162
トレジャーファクトリー 5,204 205 5,409 42 3 45
ネットオフ 1,126 - 1,126 - - -
ハードオフコーポレーション 6,983 33,905 40,888 155 476 631
パシフィックネット 2,390 - 2,390 9 - 9
合計 68,946 62,109 131,055 660 932 1,592
  • *対象期間は以下の通り。
    小牧:2009年7月〜2010年6月、タックルベリー:2009年2月〜2010年1月
    トレジャー・ファクトリー:2009年3月〜2010年2月
    パシフィックネット:2009年6月〜2010年5月、その他企業:2009年4月〜2010年3月

(ご参考)

  • リユース品の市場規模(2009年度協会推計値)360,000百万円
    • *済産業省「平成19年商業統計」中古品小売業年間商品販売額(自動車、自転車、本、骨董品除く)345,234百万円を基に協会にて推計
  • 上記市場規模に対する11社合計のシェア 36.4%

以上のように、リユース品市場は拡大を続けており、背景に鑑みると、今後、景気循環による多少の変動があっても、リユース品小売業の積極的なチェーン展開が続けば、リユース品市場の拡大傾向は続くと考えられる。

リユース品市場の成長は結果的に、処理すべきごみの量を減らすことにつながっており、循環型社会の形成に大きく貢献する。新品製品の大量生産・大量消費による従来型の成長ではなく、リユース品市場のように3Rに拠った市場の成長で、循環型社会の形成を目指していくことが望まれる。

  1. *1商業統計上の中古品とは、自動車や自転車、書籍、骨董品を除いたリユース品を指す。
  2. *2民間給与実態統計調査平成18年(国税庁)
    (PDF/283KB)PDF
  3. *3週刊東洋経済 2009年12月12日号,p41(東洋経済新報社)
  4. *4株式会社トレジャー・ファクトリー有価証券報告書(2010-02-28期)

広報室
03-5281-7548

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