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ビッグデータ時代における企業の情報活用

2012年2月21日 金融ソリューション第3部 草薙 曜子

消費者ニーズと企業提供商品のミスマッチ

2011年度第3四半期、日本の大手家電メーカーは軒並み巨額の赤字を出して、業績を落としている。一方で、米アップルのiPhoneや韓国サムスン電子のギャラクシーなどのスマートフォンのように、国外の企業については、好調な販売が報じられている(*1)。日本を代表する大企業において、消費者のほしいものと企業側が提供するもののミスマッチが目立ち始めている。

さらに、スマートフォンやSNSの普及は、クチコミなどの情報を瞬時に伝達することを可能とし、消費者のニーズに影響をあたえている。衣料品の分野におけるファストファッションなど、1週間で売れ筋が変わる時代である。スピードアップしていく消費者動向の変化を素早く察知、予測し、それに対応する能力を身につけることは、今あらゆる企業にとって急務といえるだろう。そのための手段として、“ビッグデータ”の活用は欠かせなくなってきているのである。

加速する“ビッグデータ”化

ビッグデータの中でも、消費者ニーズを捉えるためによく用いられるのは、いわゆる「顧客の声」のデータである。例としてよく取り上げられるものに、ソーシャルメディアにおける商品やサービスに対するコメントがある。あるコメントに関するユーザ同士のコミュニケーションは、情報が情報を生み、倍々に増えていく性質を持つものだ。また、“グローバリゼーション”もビッグデータと関係が深い。ユーザニーズは国や地域により異なり、それぞれの年代によっても大きく異なる。当然、市場の規模に応じて分析対象が拡がることになる。

前述のような新たなデータソースばかりではない。クレジットカードの購買情報やショップのポイントカードのように、ユーザ動向を把握するためのデータはこれまでも存在した。しかし、異なる店舗でのポイントの連携や交通機関のカードとの共通化などにより、個々のデータの関連性が見えることで、ユーザ行動をより精緻に捉える手法が増え、既存のカードなどに付随する情報も膨大なものとなってきている。

企業はこれまで、社内の基幹システムや個別業務システム、ドキュメントファイル、メール、Webサイトといったシステム内のデータについて、統合的に閲覧、利用、分析できるようなツールを整えてきた。BIツールや、エンタープライズサーチ、企業内ポータルサイトなどがそれに当たる。しかし、ビッグデータについては、その膨大な量や、企業外のシステムに蓄積された多種多様な形式であるということ、そして新たなデータソースが続々増えていくということから、既存の固定的な仕組みだけでは十分に対応しきれないのである。

ビッグデータ活用のための企業側の態勢

SalesforceやAmazon Web Services、Google App Engineなど各種のクラウドサービスの普及により、企業が大量データを蓄え、活用できる環境が整ってきている。しかも多くのクラウドサービスは、短期間で新たな機能を開発、運用でき、データ容量のスケーラビリティも利く。柔軟性の高いクラウド基盤は、ビッグデータを利用していくうえで有効な手段となる。

こうした背景の中、国内でも独自のサービスが現れている。2011年5月に、トヨタは、Salesforceの「Chatter(チャター)」をベースとした顧客向けSNS「トヨタフレンド」の構想を発表した(*2)。ユーザ同士が交流し合うのみならず、プリウスの電池残量情報や点検の情報などを、車自身がつぶやくという形で、ユーザコミュニケーションに参加する。いかに細かくタイムリーにユーザニーズに関する情報を取得し、それに対応した車、サービスを提供するかということに、車のように開発サイクルの長い商品を扱うメーカーでも取り組んでいる。そして、既存の“車”の概念にとらわれず、ユーザの新たなライフスタイルやニーズにマッチしたものへと、機能や役割を変えていこうとしているのである。

1955年にディズニーランドが開園した当初、ウォルト・ディズニーがこう言ったそうである「ディズニーランドは永遠に完成しない。世界に想像力がある限り、成長し続けるだろう」。刻々と変化するユーザニーズを追いかけるためには、企業、システム側も変化し続けなければならない。


  • [参考情報]
    ビッグデータの活用では、目的に応じたスピーディなデータ検索はベースとなる機能であり、弊社においても、Salesforceのデータを企業内の他のデータとシームレスに横断検索、利用するためのソリューション「Search for Salesforce」の提供を予定しております。

  1. *1携帯電話市場の第4四半期利益、アップルとサムスンで95%占める(朝日新聞デジタル、2012年2月13日)
  2. *2トヨタ自動車株式会社ニュースリリース(2011年5月23日)

広報室
03-5281-7548

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