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クラウド市場の拡大 ― Cloudforce Japan参加報告

2009年9月29日 金融ソリューション第2部 足利 華佳

9月15日、日本最大のクラウドコンピューティングのイベント「Cloudforce Japan 2009」が開催された。クラウドのリーディングカンパニーであるセールスフォース・ドットコムの主催により行われたもので、今回で3度目の開催となった。来場者数は4,000名近くにのぼり、昨年比で60%近くも増加しており、クラウドへの関心が飛躍的に高まっていることがよくわかる。

クラウドの魅力

インターネットを介してさまざまなサービスを利用できる技術をクラウドコンピューティングという。クラウドという言葉が使われ始めたのは2006年頃からで、ネットワークを介してサービスを提供するSaaS(Software as a Service)や基盤を提供するPaaS(Platform as a Service)といった技術の総称である。

クラウドはまずはじめに一般個人向けに広がった。代表的な例としてはYahoo!やGoogleが提供するメールサービスがある。利用者はユーザ登録をするだけで、インターネットを介してメールソフトを利用できる。パソコンにインストールしたり、面倒な更新作業をしたりしなくても常に最新バージョンのものを使える。このような便利なサービスが、仮想化技術などの発展に伴い、企業向けにも普及し始めているのだ。

セールスフォース・ドットコムは、企業向けクラウド分野で急成長しており、全世界での売上は11億ドルを突破している(2009年9月現在)。同社のサービスは総称としてSalesforceと呼ばれ、GUIベースでの設定によりプログラミングレスに開発を行うことができるため、サービスインが早いという特徴がある。

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本格化するクラウドへのパラダイムシフト

Cloudforce Japanではさまざまな企業がSalesforce導入事例の講演を行っていたが、日本通運や損害保険ジャパンなど、大企業による講演が多くあった点、また、ローソンのバリューチェーン管理や甲府市の定額給付金管理など、使い方が多岐に渡っていた点が特徴的であった。各社はSalesforceにより開発した自社アプリケーションを披露し、どのような成果を上げたかを紹介するなど、互いにこのすばらしいサービスを広めよう、という雰囲気が感じられた。これはGUIベースによりユーザ企業自らが開発・改良を行うことができるSalesforceだからこそ生み出される状況だろう。

また、出展各社が提案するSalesforceを利用したソリューションも格段と充実してきており、帳票出力に特化したものからモバイル利用に特化したものまで、多様で細やかなサービスを実現している。

同イベントには弊社も出展したが、クラウド初心者から既に利用し拡張を考えている人まで来場者層が広かった。前者は、クラウド全般について熱心に質問しながらブースを回っていたようである。初めて同社のイベントに来場し、そのサービスの完成度の高さに衝撃を受け、クラウドコンピューティングという大きな流れに遅れてはならないと感じていたのではないだろうか。また後者は、利用中のSalesforceをもっと深化させたいと考えているようであり、企業内での利用に留まらず、顧客向けや代理店向けポータルサイトとしての利用可能性を模索しているケースも見られた。Salesforceは年に3回のバージョンアップを行っており、ユーザニーズに合わせて常に進化し続けているのだ。

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進化するSalesforceのサービス

基調講演ではマーク・ベニオフ会長兼CEOが、サービスの新たなキーワードとして、「リアルタイムクラウド」を発表。これはたとえば、企業内システムと外部コンシューマー向けクラウドコミュニティを連携させ、顧客ニーズを『リアルタイムに』取り込もうというものである。新たにmixiとの連携が発表され、採用を決めた企業や導入を検討している企業も登壇して、この新しいサービスへの期待が寄せられた。Salesforce利用企業は、Twitterやmixiなどのコミュニティに寄せられるアイデアや意見、「つぶやき」など、ユーザの生の声をSalesforceに取り込むことができる。取り込まれた情報は、関係部署にアラートメールとして配信したり、ダッシュボード(グラフ・チャート化された経営指標)を使って分析したりすることが可能だ。顧客の意見にすぐさま対応することができる、まさにリアルタイムクラウドである。

これまで企業内システムと一般ユーザ向けシステムの間には大きな壁があったが、このようなセキュリティを維持しながら外部のサービスと連携する仕組みにより、クラウドの利用にさらなる広がりが生まれるだろう。

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クラウドの展望

同社のプライベートイベントに弊社が参加するのは今年で2回目となったが、日本でクラウド市場が着実に成長していることを感じた。導入スピードが速く、汎用性・拡張性が高いクラウドは、今後ますます普及・発展していくだろう。

情報システムアーキテクチャのパラダイムシフトは、過去約20年周期で起こっていると言われているが、メインフレーム(‘64〜84頃)、パソコン(‘79〜98頃)、Web(‘93頃〜)、に続いてクラウドが4番目の波になるのか、今後の動きに注目したい。

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