―「3Dテレビに関するアンケート」調査結果から―
3Dテレビに対する購入意向およびその特性と普及要件
2010年4月
みずほ情報総研株式会社
調査項目
- *太字部が今回ご報告する調査結果
回答者プロフィール
- 3D映画について
鑑賞経験・意向、鑑賞作品、鑑賞方式(アクティブシャッター、偏光、波長分光)、鑑賞場所、 評価(全般、立体感、臨場感・没入感、迫力・圧倒感、映像美、演出・字幕など)、 良かった点、悪かった点、3D対応映画館利用意向、鑑賞理由、非鑑賞理由 - 自宅のテレビについて
所有テレビ(サイズ、購入時期、台数)、購入希望テレビ(サイズ、購入時期、重視点)、 視聴ジャンル、有料コンテンツ契約・利用状況(チャンネル、オンデマンド配信など)、視聴目的 - 3Dテレビについて
認知率・認知経路、購入意向・興味、ボジティブ理由・ネガティブ理由、 購入条件、許容価格(本体、メガネ)、視聴希望ジャンル、具体的な視聴希望コンテンツ、 有料コンテンツ契約・利用意向(チャンネル、オンデマンド配信など) - 3D対応機器・サービスについて
購入意向、購入条件、利用意向
調査概要
| 方式: | Webアンケート方式(インターネット上で回答するモニターアンケート) |
| 対象: | マーシュ「D STYLE WEB」モニター |
| 期間: | 2010年2月26日~3月1日 |
| 有効回答者数: | 1,000名 |
| 有効回答者の属性: | |
| 【性別】 | 男性:500名 女性:500名 |
| 【年齢】 | 20代:200名 30代:200名 40代:200名 50代:200名 60代以上:200名 |
| 【居住地】 | 北海道:40名 東北:70名 関東:301名 中部:170名 近畿:149名 中国:79名 四国:40名 九州・沖縄:151名 |
要旨
- 3Dテレビの「購入意向者」は回答者全体の4割(42.7%)を占めた。内訳は、発売されればすぐにでも購入したい、または買い替え等のタイミングに関係なく条件が整えば購入したいと回答した「能動的な購入意向者」が5.5%、買い替え等のタイミングであれば条件次第で購入したいと回答した「受動的な購入意向者」が37.2%だった。
- 2012年3月時点(約2年後)において期待できる3Dテレビの世帯普及率の上限値(購入意向者の購入条件がすべて満たされた場合の普及率)は、40インチ以上のサイズのみで市場展開を図った場合には1割(9.9%)、32インチまでサイズを拡大した場合には2割(19.6%)と推定される。この上限値に少しでも近づけるべく普及促進を図り、その結果として需要が拡大した3Dコンテンツが充実し、それによりメディアとしての価値が向上した3Dテレビが普及する、という正のサイクルを一気に加速できる規模まで早期に市場を拡大することが当面の目標になると思われる。
- 3Dテレビの発売当初の購入者は、能動的な購入意向者の割合が高い30代や60代で多くなることが予想される。受動的な購入意向者の割合は50代をピークとした分布構成となり、購入意向者全体の割合もほぼ同様の分布構成となった。購買力の大きさがその一因と思われる。
- 3D映画の鑑賞経験の有無は、3Dテレビに対する購入意向の有無にはあまり影響していない可能性が高い。一方、3D映画に対する鑑賞意向の有無と3Dテレビに対する購入意向の有無との間には強い正の相関が認められた。3D映像を視聴してみたいという本来的な欲求の有無に起因したものと思われる。
- 直近で鑑賞した3D映画に対して、8割以上が「期待以上」か「期待通り」と評価した。3D映画に対する評価の良し悪しは、能動的な購入意向にはほとんど影響を与えないが、受動的な購入意向には少なからず影響を与える。特に期待を下回った場合には期待通りだった場合に比べて、受動的な購入意向者の割合は約2割(18.5%)減少した。鑑賞者の期待に応えることができない3D映画を量産すると、受動的な購入意向者を減少させる可能性がある。
- 40インチ以上の大画面テレビを購入したい人では、能動的な購入意向者が1割程(8.6%)いた。購入意向者全体では、購入したいテレビの画面サイズが大きい人ほど3Dテレビの購入意向が高かった。その割合は40インチ以上で5割を超え(52.6%)、50インチ以上では7割(69.9%)を占めた。2010年3月時点で市場への投入が発表されている3Dテレビはいずれも40インチ以上であるが、このような大画面テレビを購入したい人は3Dテレビの有力なターゲットと言えそうである。
- 「買い替え等のタイミングに関係なく条件が整えば購入したい」人では、3Dテレビの購入条件として、通常の(2D)テレビとの価格差(54.2%)もさることながら、3Dコンテンツの充実をあげる声が多かった(「3D対応番組放送の充実」 68.8%、「3D映像コンテンツの充実」 60.4%)。一方、「買い替え等のタイミングであれば条件次第で購入したい」人でも3Dコンテンツの充実をあげる声は多かったが、それ以上に価格差をあげる声が8割(79.0%)と多かった。購入のタイミングが買い替え時であることから、価格差を小さく抑えることができれば3Dテレビが選択される可能性は十分にある。なお、3Dテレビの購入条件として、それぞれ約3割が生体への安全性に対する不安の解消をあげており、生体に悪影響があるのではないかといった不安感を払拭することも普及要件の1つといえる。
- 3Dテレビの購入意向者のうち、50インチ以上および32~49インチのテレビを購入したい人では、3Dテレビに対してそれぞれ30,000円および20,000円を超える価格差を許容できる人の割合が半数を上回った。3Dテレビの価格差のひとつの目安になると思われる。2011年7月のアナログ停波による駆け込み需要やテレビの買い替え周期を考慮すると、買い替え需要を取り込みながら早期に3Dテレビの普及を図るためには、さらなる価格差の縮小も求められる。
- 3Dテレビの購入意向者で、かつ32インチ以上のテレビを購入したい人でも、3Dメガネの価格として3,000円を超える価格を許容できる人は4割程度にとどまった。普及価格帯はこの3,000円をさらに下回ることが予想される。3Dメガネの一層の低価格化を進めるとともに、3Dメガネに対して購入意欲が高まると考えられる3D関連のハード(3Dテレビや3D録画再生機等)やソフト(3D映像や3Dゲーム等)の購入時、あるいは3D専門チャンネルの契約時等に、3Dメガネをセット価格で提供する等の販売促進策も必要になると思われる。
- 「映画」と「スポーツ」は、3Dテレビの購入意向者に対して3Dテレビによる視聴希望者の割合がそれぞれ89.0%、63.7%と高く、しかも現在の視聴者(それぞれ75.9%、58.3%)を上回る視聴希望者がいたことから、3Dのコンテンツの提供先として最も優先度の高いジャンルと考えられる。「演劇/公演」、「特撮」、「アダルト」は、現在の視聴者に比べて3Dテレビによる視聴希望者が2~3倍と多かった。3Dのコンテンツが提供されることによって新たな視聴者の獲得が期待できるジャンルといえそうである。「バラエティ」、「ニュース/報道」、「情報/ワイドショー」は、現在の視聴者に対して3Dテレビによる視聴希望者が1~2割と少なく、3Dのコンテンツとして提供される必然性が小さいジャンルであることがわかる。
- 今後市場投入予定の3Dテレビで採用されているアクティブシャッター方式による3D映画鑑賞者の4割(43.1%)が「眼の疲れ」、約1割が「3D酔い」(12.7%)、「頭痛・肩こり」(11.4%)を3D映画の悪かった点としてあげた。これらの発症メカニズムの研究やその結果をもとにした対応が今後の3Dテレビの普及には不可欠であろう。
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