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―家庭における節電はどの程度定着したのか?―

節電に対する生活者の行動・意識調査(2)

2011年11月
みずほ情報総研株式会社

調査の背景と目的

今夏、東京電力管内では、各主体により様々な節電の取り組みが実施された。家庭でも数多くの節電行動が実施された結果、同管内の家庭における最大ピーク時電力需要は昨年比11%減(気温が同水準の日同士の比較)、また8月の販売電力量は昨年比17%減(*1)となり 、大幅な節電に成功したと言える。各家庭では、日中の照明の消灯やエアコンの使用抑制など心がけに類する行動から、省エネ型の照明器具・家電製品への買い替えに至るまで、幅広い対策が取られたと考えられ、これらの対策の効果が複合的に結びついて節電の成功につながったものと考えられる。

当社では、家庭での対策行動のうち特に心がけに類する行動に注目して、今夏の取り組み実態を把握するとともに、節電行動の一層の普及や定着を図るためのヒントを探ることを目的として、節電に対する生活者の行動・意識に関するアンケート調査を実施した。本年6月に第1回調査(*2)、9月に第2回調査(第1回調査の回答者を対象にした追跡調査)を実施した。本レポートでは、主に第2回調査の結果から今夏の家庭での節電の取り組み実態を明らかにするとともに、第1回調査(2011年6月)以降に生じた取り組み状況の変化について考察した。

調査項目

  • 回答者プロフィール
  • 節電行動に関する項目(今夏の取り組み状況、来夏の取り組み意向)
  • 節電に対する意識(節電行動全般に関する評価、節電の効果に関する評価)

調査概要

方式: Webアンケート方式(インターネット上で回答するモニターアンケート)
対象: 第1回調査(2011年6月実施)の回答者(*3)。ただし、転居した人は対象から除外。
期間: 2011年9月15日~27日
有効回答者数: 725人(属性は以下の通り)
  20代 30代 40代 50代 60代 70代以上
東京都 24 41 37 29 39 40
神奈川県 20 25 31 22 27 27
それ以外(*4) 43 66 53 61 74 66
年代別計 87 132 121 112 140 133

調査結果

1.今夏の節電実施率はおおむね6割超。震災を機に実施率は大きく上昇し、その後も多くの行動で実施率は高い状態を維持。

  • 今夏の節電実施率は多くのもので6割を超えていた。特に、照明に関する節電は9割、エアコンに関する節電は8割を超え、ほとんどの家庭で取り組まれていた。
  • 照明、テレビ、温水便座、家電製品の待機電力に関する節電では、震災を機に実施率が大きく上昇し、今夏の実施率も高い状態が維持されていた。一方、冷蔵庫の節電では、今夏の実施率は震災以前と同じ水準であった。
  • 夏前と今夏の取り組み状況を比較したところ、取り組み度合いが低下した人もいた。その要因について調べたところ、節電の負担感が大きい場合や、自分の節電行動の有効感が低い場合には、取り組みが定着しにくい傾向が見られた。

2.来夏の節電にはおおむね8割超が取り組む意向。そのうち1~3割は「電力不足なら」という条件つき。

  • 来夏の節電には、おおむね8割の人が取り組む意向であった。ただし、そのうち1~3割の人は「電力不足になるなら」という条件付きであった。
  • 来夏の取り組み意向と今夏の取り組み状況を比較したところ、エアコンと照明の節電において、来夏に「電力が不足するかどうかに関係なく、取り組むと思う」と回答した人の割合は、今夏の実施率を下回った。来夏に電力不足の懸念がない場合には、節電の実施率は、今夏よりも低くなる可能性が考えられる。

3.エアコンの節電に関して、昨夏は取り組まなかったが今夏に取り組む意向を示していた人(チャレンジ層)では今夏の実施率、来夏の実施意向ともに高かった。チャレンジ層にもエアコンの節電が定着しつつある。

  • エアコンに関する節電行動(「使用を控える」「室温を高めに設定する」)について、前回調査で採用した分類(ベテラン層、チャレンジ層、非協力層)(*5)ごとに、今夏の取り組み状況、来夏の取り組み意向を見た。
  • ベテラン層では、今夏の実施率は9割、来夏についても、約8割の人が電力不足に関係なく取り組む意向を示した。エアコンの節電は、ベテラン層にとってはごく自然に取り組める行動として定着しているものと考えられる。
  • チャレンジ層では、今夏の実施率は8割、来夏についても、約6割の人が電力不足に関係なく取り組む意向を示した。エアコンの節電は、チャレンジ層にも徐々に定着しつつあるものと考えられる。
  • また、非協力層でも約半数が今夏の節電に取り組んでおり、来夏についても、約3割の人が電力不足に関係なく取り組む意向を示した。
  • 本調査では、非協力層で、今夏の節電に取り組んだ人の取り組みの動機や、来夏に取り組もうと思うようになった理由について明らかにすることができなかったが、彼らの取り組みの動機・理由について調べることは、節電の一層の普及に向けて重要であると考えられる。


  1. *1経済産業省「今夏の電力需給対策のフォローアップについて」
  2. *2第1回調査の詳細はこちら
    http://www.mizuho-ir.co.jp/publication/report/2011/setsuden0630.html
  3. *3第1回調査の対象者は「2011年6月時点で東京電力管内に1年以上居住する成人男女約1,000人」。
  4. *4群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県、千葉県、山梨県の各県。
  5. *5ベテラン層:今夏、取り組むつもりであり、昨夏にも取り組んだ人, チャレンジ層:今夏、取り組むつもりだが、昨夏に取り組み経験がない人, 非協力層:今夏、取り組むつもりがない人(第1回調査(2011年6月)時点の意向)
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