情報処理学会バイオ情報学研究会より論文賞を受賞
みずほ情報総研 サイエンスソリューション部の浜田 道昭は、2010年3月4日、社団法人情報処理学会のバイオ情報学研究会より、2008-2009 SIGBIO Best Paper Award(バイオ情報学研究会論文賞)を受賞いたしました。
SIGBIO Best Paper Awardは、情報処理学会の論文誌IPSJ Transactions on Bioinformatics に掲載された論文の中で、特に優秀な論文に対して授与されます。今回は、2008-2009年度の2年間に掲載された論文の中から1件の論文賞が選定されました。
このたびの受賞は、みずほ情報総研が、産業技術総合研究所、東京大学と共同で行った研究成果をまとめた論文「Large Scale Similarity Search for Locally Stable Secondary Structures among RNA Sequences(RNA配列群に現れる局所2次構造の大規模類似性探索)」の発表内容が、その功績を認められたものです。
論文概要
論文名: Large Scale Similarity Search for Locally Stable Secondary Structures among RNA Sequences
著者: Michiaki Hamada, Toutai Mituyama and Kiyoshi Asai
掲載号:IPSJ Transactions on Bioinformatics, Vol. 2, pp. 36-46, 2009.
近年、分子生物学的実験や計算機による予測により多数の機能性RNA(*1)候補配列が得られています。さらに、ゲノム配列中には機能未知の興味深い領域(indel保存領域、human accelerated領域、transposon free領域など)が存在し、その一部は機能性RNAである可能性があります。一方で、機能性RNAの大部分は機能と密接に関連した値特徴的な2次構造(*2)を有することが知られています。それゆえに、これらの機能性RNA候補配列群から互いに類似した2次構造を有するクラスタを同定することは、新しい機能性RNAファミリーを発見することに有用であると考えられます。
このような背景にもとづき、本論文では、RNAcliqueと呼ばれる、多数のRNA配列群から互いに2次構造の類似した局所2次構造のクラスタを発見するための新しい手法を提案しました。計算機を用いた実験では、RNAcliqueは、非常に大規模な配列群から、機能性RNAファミリーを同定することが可能であることが示されました。論文ではさらに、RNAcliqueを用いた2つの大規模解析の例も提示しその有効性を確認しています。
- *1機能性RNA: それ自身が生体内で様々な活性を持つようなRNAの総称。従来RNAはタンパク質に遺伝情報を伝達する中間体と考えられてきましたが、近年多数の機能性RNAが発見されてきています。
参考コラム:http://www.mizuho-ir.co.jp/publication/column/2009/1117.html - *22次構造:1本の長い分子であるRNA分子は、生体内では部分的に2本鎖を形成して特異な構造を有しています。この構造は一般に2次構造と呼ばれ、機能性RNAの機能と密接に関係していることが知られています。

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