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環境経営の時代を先取りした企業、株式会社エフピコ

株式会社エフピコロゴ

広島県福山市に本社を置く株式会社エフピコは、1962年に創業、今日、スーパーマーケット、食料品店などで使用される簡易食品容器の専業メーカーとしてトップシェアを誇る企業。1960年代以降、セルフ方式の小売店という新業態のスーパーマーケットが事業の拡大を続ける中で食品用トレーの需要が増加し、同社は他社に先んじて付加価値の高いカラートレーを商品化するなど、時代に合わせた商品の開発を行ってきた。

環境配慮への取り組みとして、1991年には使用済みトレーからトレーを再生するエフピコ方式のリサイクルシステム「トレーtoトレー」を実現、業界初のエコマーク認定商品「エコトレー」を生み出した。

時代を先読みしたリサイクルへの着手

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株式会社エフピコ
環境対策室
ジェネラルマネージャー
3R推進マイスター
松尾和則氏

リサイクルへの取り組みのきっかけについて、株式会社エフピコ 環境対策室 ジェネラルマネージャーの松尾和則氏は当時を振り返る。「1990年に、アメリカでハンバーガーチェーンが使用していた使い捨ての発泡スチロール容器に対して、省資源への意識の高まりから反対運動が起こっていることを知った小松会長(当時社長)が、トレーのリサイクルを考え始めました。このままでは日本の食品トレー業界の存続も危うくなるのではないかと、業界に働きかけを行いましたが、大きなコストを伴う活動にはなかなか賛同を得ることができませんでした」。

同社は単独での実施に向けて、トレーの回収を1990年から開始した。「リサイクル自体は利益を生み出すものではないし、そのコストは甚大なものでしたから、小松の容器に対する愛着と、決断力はすごいと思いました」(松尾氏)。

環境経営に向けた全社的な取り組みへ

トレーのリサイクルが軌道に乗り、社会的にもCO2削減への関心が高まる中、同社では環境対策について全社で取り組むという方針が決定され、2006年に「環境経営5ヵ年計画」をスタートした。

同社 環境対策室 マネージャーの井上達弘氏は、環境マネジメント体制を組織し、運営に取り組み始めた当時を振り返る。「当社がリサイクルを開始してから15年という年月を重ねるうちに、トレーの回収量も順調に増え、事業としても黒字化し実績を作ったのですが、環境配慮への取り組みについて社員全員が理解しているのか、ということに思い至りました。そこで、環境対策について会社全体で取り組むため、また社内の理解を深めるために、環境対応の『見える化』を推進することとなりました」。

しかし、何を目指しどのようなことを行えばよいのか具体策は描けていなかったという。「高い目標を掲げようとしたところで、現在、自分たちがどこまで到達できていて、達成するために何が足りないのか、把握できていませんでした。そこで、外部機関であるみずほ情報総研に相談することにしました」(井上氏)。

環境対策の評価の新機軸

2008年から、環境経営のレベルアップを目指してみずほ情報総研がコンサルティングを担当し、同社は、環境負荷低減に向けた全社的な取り組みとして、環境マネジメントシステム「エコバリューチェーン」の構築に着手した。「エコバリューチェーン」は、複数の部署が有機的に連動して業務の透明化、効率化、そして環境に配慮した施策の推進を行うことにより、2020年までにCO2総量を20%削減するという高い目標を目指す。

「みずほ情報総研の支援により、社内各部の情報連携が促され、これまで見えていなかったものが見えるようになりました。当初は、いかに省エネ法や、温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)の削減義務を果たしていくかという目的で、ゴミの減量化と省資源化を目指して、自社内で削減したCO2量を明確にすることだけを考えていました」と井上氏は話す。

「コンサルティングを受けて、トレーの回収からリサイクル、そしてエコトレーを作るという20年かけて作り上げた仕組みは、当社だけではなく、グループ各社、そして関連している他社の環境貢献にも影響を及ぼしているということを理解しました。周辺企業も巻き込んだ上流(原材料の調達)から下流(製品の廃棄・リサイクル)までのCO2排出量をトータルで考える、というコンセプトは非常にセンセーショナルでした」と当時の驚きを松尾氏は振り返る。

「また、我々に有用な情報をタイムリーに提供していただけるのも非常にありがたかったです。環境部門の人員も限られている中で、環境省や経済産業省をはじめとする関係各省の動きをすべて把握することは不可能ですし、大手小売店など、他社の進んだ環境対応への取り組み事例などは、我々にとってもよい刺激になりました」(松尾氏)。

社内での味方づくりに奔走

CO2の見える化の必要性、また廃棄物のすべてを計量する作業などは、余計な業務と捉えられがちで、社内の理解を得るのにも苦労したという。

「幹部向けの説明会や環境教育の場で我々が説明してもなかなか聞き入れてもらえない。そういうときに、みずほ情報総研の担当者から説明や解説をしてもらうと、必要性や意義を、ああそうなんだ、と納得してもらえるんです」(松尾氏)。

「プロジェクトの最終決断が行われる際もお力添えいただきました」と井上氏。「改正省エネ法が施行されると、小売業は非常に厳しい立場に追い込まれ、それがエフピコのビジネスチャンスにつながるという話が決め手でした」。小売業では、店舗数が増え営業時間も延びている中、各店舗でのCO2削減は非常に難しい状況にあるため、仕入れ商品や取引先企業の省エネを推進することで、事業全体を通じてCO2削減を達成するという動きが予測された。「環境負荷削減を進める当社の商品を、小売業者が採用する動機につながると説明していただき、社長の心を動かしてくれました」(井上氏)。

環境対策から生じた社員の意識改革

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株式会社エフピコ
環境対策室 マネージャー
井上達弘氏

プロジェクトを進める中で、さまざまな社員の顔写真と環境への取り組みを掲載したCSRレポートの発行や、クロスファンクショナルな環境戦略会議などの開催は、社内の活性化や、他部署の業務内容への興味喚起にもつながった。

プロジェクトを開始してから、定期的に開発、生産、物流、オフィス、販売など、各部門のトップが環境を軸に集まる機会ができ、他部署のやっていることが見えてきて、横の連携が生まれやすい状況になったという。「エコトレーの販売状況やCO2削減につながる情報の共有など、会議の場を通じてコミュニケーションやフィードバックが増え、それにより、たとえば、開発の担当者がエコに配慮した新しい商品開発に着眼するなど、予想していなかった効果がありました」と井上氏は話す。各部の現場でも意識が変わってきているという。「たとえば、工場から廃棄物を処理する際、リサイクル率の高い廃棄物処理事業者を選定するなど、CO2削減を意識した具体的なアクションにつながってきています。また、社内でも、環境対策の効果をすべてCO2換算して発表するなど、徐々にCO2の見える化が定着してきています」(井上氏)。

また、環境への配慮を営業につなげるヒントも得たと井上氏は話す。「当社の主力製品であるエコトレーは、環境への関心が高まる中、CO2削減への効果をアピールする恰好の提案ツールになったと思います。実際にエコトレーの販売枚数は、対昨年比で約18%増加していますし、営業活動も行いやすくなったと思います」。

環境を品質の一項目とした製品づくりへ

エフピコは、環境保全に関する業界のトップランナーとしての取り組みをより一層推進していくために、環境大臣に対して自らの取り組みを約束し、2011年4月に「エコ・ファースト」企業に認定された。

「エコ・ファーストの約束」は、環境分野での企業価値を高めていくために、これまで取り組んできた「トレーtoトレー」のリサイクルを柱とした事業活動を通じて目標を達成する約束。「今ある目標の延長にあるため、さらにトレーの回収量、エコトレーの販売量を拡大し、トレーの軽量化や廃棄物の抑制に努めていきます。また、リサイクル工場の見学者を増やすことで、CO2の削減効果を対外的にアピールしていきたい」と松尾氏は語る。

井上氏も「リサイクルについては、今後さまざまな展開を予定しています。たとえば、ペットボトルのリサイクルや、透明容器のリサイクルなども設備投資を行って進めていく予定です。これらの結果もすべてCO2に換算し、環境対策の指標として対外的に発表していきたいと考えています」と抱負を述べる。

エフピコは、社内外のさまざまな意見に耳を傾け、更なるCO2削減を目指して「エコバリューチェーン」を推進し、環境を品質にした製品展開で2020年に向けてさらなる売り上げ増加を目指す。

お問い合わせ

担当:広報室
電話:03-5281-7548

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