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事業主と一体となって健康経営を推進する、フジクラ健康保険組合

フジクラ健康保険ロゴ

超高齢化社会となった日本において、企業が社員等の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践する「健康経営」に多くの企業が取り組み始めている。中でも、早くから社員の健康管理を経営的な課題として捉え、戦略・計画的に取り組んできたのが、通信ケーブルや電線、電子部品等の製品開発、製造を展開する株式会社フジクラだ。

データヘルスの推進により健康経営の実践をサポートし、実効性のある予防・健康づくりを行うフジクラ健康保険組合に、コラボヘルスへの取り組みについて聞いた。

社員の健康こそ、経営の重要課題

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フジクラ健康保険組合
事務長 花摘 信孝氏

事業主であるフジクラが、社員の健康増進・疾病予防を重要な経営課題と捉え、重要施策の一つとしたのは、2010年にさかのぼる。翌年には、社員の健康増進を推進する専任部署「ヘルスケア・ソリューション・グループ(現在の健康経営推進室)」を設置。独自の健康増進プログラムの開発に着手し、2014年に「フジクラグループ健康経営宣言」を発表した。

フジクラ健康保険組合 事務長の花摘 信孝氏は、「社員の健康があってこそ、企業が効率よく生産性を上げていくことができる、という考えのもと、事業主と連携して健康経営の推進に取り組み始めました」と当時を振り返る。現在は、同健保組合をはじめ、健康経営推進室、産業保健スタッフなど関係部門の代表で構成する「健康推進連絡協議会」を軸に健康経営の推進にあたっている。活動計画の立案、施策の検討、経営陣への提言や活動報告を行い、各カンパニーの組織代表や社員代表、労働組合との意見交換・情報共有も行い、各組織が協働して活動を推進するコラボヘルス推進体制を構築している。

健康経営の軸となる事業に協働で取り組む

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フジクラ健康保険組合
常務理事 舟橋 直哉氏

同健保組合で常務理事を務める舟橋 直哉氏は、この体制のもと、労働衛生管理と積極的な健康増進プログラム、そして、健康保険組合が主体となる保健事業の3つを柱として事業を展開していると説明する。「労働衛生管理は会社が安全配慮義務を果たすための基本的な部分ですが、並行して健康経営推進室において社員の健康増進を推進する健康増進プログラムを展開しています。また、当組合にて、社員の健康診断、特定保健指導、主婦健診などの保健事業を展開しています」。

健康増進プログラムの提供においては、社員各人が健診結果やその推移などのデータを参照したり、日々の歩数データなどを確認できる専用サイトを開設している。歩数データは、社内に複数設置しているデータポイントにアクセスすることで自動的にアップロードされる仕組みだ。こうした健康づくりや運動の習慣化を目指したプログラムには、全社で実施している歩数イベントのほかに、事業所単位で行う自転車通勤プログラムやウォーキングイベントなどもあり、データの取り込みは同様に行うことができるという。また、フジクラ本社の各フロアに「健康測定ルーム」という施設を開設し、最新式の体組成計や脳波測定器をはじめとした健康測定機器がいつでも利用できる環境が整備されている。

保健事業では、「被保険者のみならず被扶養者に対しても、胃がんの原因といわれているピロリ菌検査の導入や、肺がん検査では50歳以上の人を対象にCT検査を組み入れるなど、検診メニューの充実化に早くから取り組んできた」(花摘氏)という。また、同健保組合では、特定健康診査・特定保健指導の実施において、社員の配偶者など被扶養者向けに、スマートフォンを活用した遠隔での特定保健指導の実施に取り組むなど、近年、さまざまな施策を展開している。

花摘氏はそのほかの施策として、「生活習慣病で通院している関東エリアの被保険者および被扶養者を対象に、2016年に遠隔診療を開始しました。提携している病院に通院すると、その後はスマートフォンを通じた診療や、在宅での薬の受領が可能になるというものです。管理栄養士に相談することもできるので、食事面でのアドバイスを受けることもできます」と話す。複数の病院に通院している被保険者・被扶養者を対象に、服薬指導を受けられる施策も展開しており、対象者は指定の薬局で薬剤師と面談し、適切な服薬ができているか、また生活習慣などに対する助言を受けることができる。受診者にとっては、適切な服薬による健康状態の向上や医療費の抑制に、健保組合にとっては、医療費の適正化や保健事業の効率化につながる、双方にとってメリットのある施策だ。今後は、同様の取り組みを行う他の健保組合と合同で、さらなる施策に向けて議論していくという。

データを活用し、より有効な施策を展開

健康経営の推進にあたり、社員とその家族の健康づくりを実行性のあるものにするには、事業主と健保組合の役割分担の明確化とデータの活用が重要となる。3本の柱で展開する事業には、レセプト(診療報酬明細書)・健診データのほか、社内で実施したストレスチェックなどのデータや希望社員に配布した活動量計の測定データなど多種多様なデータが存在し、事業主と健保組合それぞれが管轄するデータの分析を行い、各施策の検討に活かしている。しかしながら、個人情報保護の観点から、互いに開示できるデータは限定的であり、両者のデータを相互にフル活用することは困難である。

「個人が特定できないようにデータを集計・分析して、双方のデータから動向を読み取るという工夫を行っています。これは、健保組合と事業主が縦割りで活動しているのではなく、一体となって健康経営を推進していることのあらわれです。一方で、双方の開示できるデータに相違があることや、健保組合は業務外の傷病も対象とすることなど、事業主とは視点や対象・目的が一致しないこともあり、ともに健康経営を推進していくうえで、データを取り扱う点に関しては難しさも感じていました」と、花摘氏は述べる。

そこで、同健保組合では2016年から、医療費・健診結果などのデータ分析や課題抽出などの業務を、みずほ情報総研の支援を受けて実施している。「データの分析から、分析結果を基にした改善のアドバイスなど、データヘルス計画のPDCAを円滑に回すためのさまざまな支援を受けています。担当のコンサルタントのサポートにより情報が整理され、コラボヘルスの取り組みが前進していると感じます」と、花摘氏は評価する。

健康経営推進室のメンバーとともにコラボヘルスに取り組む
健康経営推進室
右から、株式会社フジクラ 人事部 健康経営推進室 係長 寺田氏、同健保組合 畔蒜氏

データの融合で、コラボヘルスの実現を目指す

第2期データヘルス計画が進行している中、同健保組合では、グループの健康経営の推進に向けて、コラボヘルスの取り組みに一層注力していく考えだ。花摘氏は今後の計画について、効果的なアプローチを実現するために、さまざまな角度からデータ分析を行い、適切な情報開示を行っていきたいと話す。「フジクラには、支店や事業所、工場など複数の拠点があり、研究開発や製造、販売など、業務の内容も多岐にわたります。事業所別、業務別などの切り口で分析を行い、これらのデータを健康経営の推進に活用し、より効果的な活動につなげていきたいと考えています」。さらに舟橋氏は、「コラボヘルスは、事業主と健保組合がベクトルを合わせて進めていく必要があります。築き上げてきた健康経営推進体制のもと、今後も双方が両輪でデータ分析、計画を進めていきます」と抱負を述べてくれた。

フジクラは、健康経営を実践する先進企業として、2017年から2年連続で「健康経営優良法人 ―ホワイト500―」に認定され、2018年には「健康経営銘柄」に選定されている。さらなるステップアップを目指し、データを活用したコラボヘルスの推進に取り組む同組合の今後の活動に注目したい。

  • *この記事は、2018年9月の取材をもとに作成したものです。

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