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オーダーメイド型環境経営研修を通じて人材育成を進める、南海電鉄

南海電気鉄道株式会社ロゴ

大阪から和歌山・高野山を結ぶ鉄道を運行する南海電気鉄道株式会社。1885年に創業した同社は、通勤・通学、観光に利用される鉄道事業を中心とした運輸業のほか、不動産業や流通業、レジャー・サービス業など、グループ全体でさまざまな事業を手がける。

「エコモーションなんかい」のフレーズとともに緑の葉をモチーフにしたエコロゴマークを定め、環境負荷の低減や環境保護に積極的に取り組んでいる南海電鉄は、2008年からみずほ情報総研の「環境経営研修サービス」を利用し、社員を対象としたオーダーメイドの環境経営研修プログラムを実施している。

事業を通じた「環境保全への取り組み」

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南海電気鉄道株式会社
CSR推進室
環境推進部 課長
新階 寛仁氏

環境経営研修に着手した契機について、南海電気鉄道株式会社 CSR推進室 環境推進部課長の新階寛仁氏は、「当社が2008年から2010年までの3カ年経営計画を策定した際、『環境保全のための取り組み強化』が5つの基本方針の最初に示されたのがきっかけでした」と話す。地球温暖化の進行により、社会的にCO2排出量削減や企業の環境配慮への取り組みについて関心が高まる中、「当社のように、大阪の難波から和歌山の間を鉄道で旅客を運んでいるローカル企業には遠い話という感覚もありました。しかし、実際はそうではなく、我々が身近なところで取り組んでいくものなのではないか、我々の事業の中でもできることや、すでにできていることが多々あるだろう」(新階氏)という認識が生まれたという。

同社では、3カ年経営計画の策定と同時に専任部署を新設し、事業を通じた環境保全への取り組みを推進するとともに、社内外への情報発信にも力を入れてきた。取り組みの一環として、社員の意識の底上げと人材育成を目的として、環境経営研修の実施を決定した。パートナーの選定の際には、各社の研修支援サービスを検討したという。同社CSR推進室 環境推進部課長補佐の戸田 弘氏は、「他社からの提案はカリキュラムが組まれているものが多く、コストパフォーマンスの観点から折り合いがつきませんでした。一方、研修の概要や時間、人数、予算などの希望を伝えて、オリジナルの研修プログラムを開発してもらえるオーダーメイド研修に魅力を感じ、みずほ情報総研に支援していただくことを決めました」と選定の理由を話す。

日常業務と環境負荷低減との関わり

エコモーションなんかいロゴ

鉄道は、CO2排出量が少なく、エネルギー効率に優れた環境に優しい交通機関といわれている。戸田氏は、「人を1人運ぶ際に排出するCO2の量は、平均で自動車が170g、対して鉄道は18gと9分の1程度なのですが、このような情報を社外に発信し、コミュニケーションする機会がありませんでした。また、社内の意識も低い状況でした」と当時を振り返る。

しかし、環境経営研修を始めたことによって、日常業務のコストを下げ効率を上げる努力や営業活動そのものが、環境配慮にプラスに働くケースがあるということに気づいてもらえるようになったという。「CO2排出量の差を見れば、お客さまの移動手段を鉄道にシフトすることがCO2の削減につながることがわかります。そこから、増客や増収を目的とした営業活動がCO2排出量の削減につながるという事例を説明し、徐々に理解を深めてもらいました」(戸田氏)。研修を通じて、社員の意識の中で別の次元にあった「環境負荷の低減」と「日常の業務」がつながったことが大きかったという。

社員に浸透し始めた環境意識

環境経営研修を始めてから3年が経過し、社員の間に日常の業務と環境保全をつなげて考える意識が浸透してきたという。「たとえば設備投資を行う場合、従来はコスト面を重視した判断が行われていましたが、最近では、コスト削減意識と並んで環境配慮に優れたものを導入しようという動きが各部署で出てきています」(新階氏)。

また、社員からの能動的な情報提供が増えているという。同社では、2007年から環境報告書(2009年よりCSR報告書)を作成しているが、当初は現場からトピックが上がってくることはなかったという。しかし、最近では掲載する情報についての提案や、環境配慮につながる話題について打診を受けるなど、環境保全と業務のつながりを意識した問い合わせが増えてきているという。「もちろん、まだ全社員に環境経営の意識が定着したわけではありませんが、興味を持ってもらえていると感じていますし、環境問題を身近な問題として捉えるようになるなど、認識が変わってきていると思います」(戸田氏)。

環境経営研修に対する意識のギャップ

写真02

南海電気鉄道株式会社
CSR推進室
環境推進部 課長補佐
戸田 弘氏

しかし、最初の研修からすぐに成果が出た訳ではないという。「企画側と受講者の間に、研修に対する温度差があり、そのギャップを埋めるのに苦労しました。研修を企画した我々としては、1時間でも長く学んでもらい、1つでも多くのことを持ち帰ってほしいと思っていたのですが、情報量は多すぎてもいけないのです」(戸田氏)。

1年目は座学を中心とした1日研修を行なったが、翌年からは半日研修に変更し、グループワークの時間を長くとるなどの改善を加えた。受講者の反応も好意的なものに変わってきたという。研修内容は、同社の希望を取り入れ、みずほ情報総研からの提案も含めて検討を行い、毎回オリジナルのプログラムを作り上げている。「グループワークを中心とした創造型の研修に変更してからは、あっという間に研修が終わったという声が聞かれ、楽しかったという評判に変わってきました。毎年続けていく間に、受講者との意識のギャップも少なくなってきたと感じています。これは、オーダーメイド研修だからこそ実現できたことだと思います」(戸田氏)。

社員の意識改革と人材育成の展望

同社では、次のステップに向けて、環境経営研修の展開について検討を始めている。「社員の意識の底上げが進んできた状況から、どのように次の段階に進めるか。環境保全への取り組みに関するエキスパートを育てていくか、社員全般に環境経営の意識が根付くように受講対象者をグループ全体に広げていくかなど、最適な方策に向けて検討していきたい」(戸田氏)。

また、研修をきっかけに、業務外においても環境配慮や社会貢献の視点を持ってほしいと新階氏は語る。「社員一人ひとりが、さまざまな視点を持って日々の業務に携わる。そのような“深化”につながる取り組みにしていきたいと思っています。また、環境保全への取り組みをきっかけに、社会貢献活動に積極的に参加する人が増えるなど、新しい動きが出てくるとうれしいですね。沿線の地域社会とのつながりが強い企業ですので、地域社会と共同で実施する活動などに進んで参加してほしいと思います」。

南海電鉄は、環境経営研修を通じて社員の意識を向上させ、業務だけでなく、日々の生活の中でも環境配慮や社会貢献を実践できる人材の育成に取り組んでいる。

お問い合わせ

担当:広報室
電話:03-5281-7548

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