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ビジネスを通じたリデュース・リユースの取り組みの促進への期待

2017年11月7日 環境エネルギー第1部 高木 重定

我が国では2000年に制定された循環型社会形成推進基本法において、リデュース(発生抑制)・リユース(再使用)・リサイクル(再生利用)の、いわゆる3Rの推進がうたわれている。その後、リサイクルに関しては建設リサイクル法や家電リサイクル法等が制定されてきたこともあり一定の効果が現れているが、一方でリデュース・リユースは進んでいるとは言い難い。これは規制等を通じて経済社会システムの中に組み込まれているリサイクルに比べて、リデュース・リユースの2Rについては消費者の意識改革による取り組み(レジ袋の辞退、リユースびんの利用等)が中心であったことが一つの要因である。リデュース・リユースを促進するには、それを経済社会システムの中に組み込んでいくことが重要だろう。

近年、これを後押しする社会の変化も見られる。消費者のモノの所有に対する意識の変化によって、モノの消費からコトの消費へとビジネスモデルが変わりつつある点である。例えば、シェアリングエコノミー型のサービスが進むと消費者が製品を所有しなくなり製品の稼働率が向上する。つまり、コトの消費は減らずにモノの消費を減らすことができ、リデュースが促進されると期待される。さらに事業者が製品を所有することでリサイクルがしやすくなるため、環境配慮設計を進めることで事業者のコスト削減のメリットも出てくる。

また、国際的には、EUが近年、循環経済(*1)を掲げており、経済成長と資源利用との分離を促進する資源効率性が注目されている。これによりシェアリングエコノミーだけでなく、リマニファクチャリング(*2)やリペアといったモノを長く使うためのビジネスも拡大の機運が高まっている。食品廃棄物に関してもSDGs(*3)で半減目標が掲げられ、フランスでは2016年に売れ残った食品の廃棄を禁止する法律ができるなど、リデュースを促進するような政策的な動きが見られる。

このような国内外の様々な動きは経済社会システムの中にリデュース・リユースを組み込むチャンスになる。現在、循環型社会形成推進基本法に基づく計画の見直しが行われており、2017年10月2日にはその計画の具体的な指針が中央環境審議会会長から環境大臣へ意見具申(*4)されている。この中でもシェアリングやリマニファクチュアリングなどの2Rに関する産業を育成するための施策を計画の中で示すことが記載されている。日本でもこれを機にビジネスの変化を通じたリデュース・リユースの取り組み(*5)が促進されていくことに期待したい。

  1. *12014年にEUが「Towards a circular economy」という政策文章で掲げた。廃棄物の3Rや資源効率の向上を進めることで、資源の利用及び環境への影響と、経済成長との連動を断ち切ることを狙ったもの。
  2. *2中古品を新品と同程度の性能まで再生させること。
  3. *3Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標。2015年に国連持続可能な開発サミットの成果文章として採択。
  4. *4「新たな循環型社会形成推進基本計画の策定のための具体的な指針」(中央環境審議会意見具申)について
  5. *52018年度の環境省の重点施策として「IT等を活用した低炭素型資源循環モデル構築促進事業」が予算要求されるなど、今後の政策的な支援も見込まれている。
    (PDF/210KB)

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