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[特集] With/Afterコロナ時代のサステナビリティ

新型コロナウイルスのパンデミックは社会のあり方に大きな影響を与え、さまざまな変革が進んでいる。
変化に対応し、持続的な発展を実現するために、企業にはどのような取り組みが求められているのだろう。

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コロナ禍が企業に与えた影響

2019年12月に中国でCOVID-19ウイルスが同定されて以降、新型コロナウイルス感染症は瞬く間に世界中へと広がった。世界各国の社会・経済活動に深刻な影響を与えながら、今も感染の広がりは収束しておらず、第2波・第3波の到来に備えて対策を強化していく必要がある。

感染拡大当初は、緊急事態宣言による外出自粛や休業要請などの措置や、諸外国における都市封鎖(ロックダウン)などの対策が取られたが、こうした厳しい対策は経済活動などへの影響が甚大であることから、感染状況などに応じて段階的に緩和・縮小されている。一方で、新型コロナウイルスの治療薬やワクチンが開発され、感染の脅威がインフルエンザなど従来の感染症と同程度になったとしても、変化した価値観や行動様式は元には戻らず、定着すると見られている。「With/Afterコロナ」時代では、新たな施策も生まれてくるだろう。

感染リスクが継続している状況下において、「新しい生活様式」の実践や、「新常態(ニューノーマル)」を前提とした新しい働き方の取り組みが始まっている。コロナ禍が企業にもたらした変化のうち大きなものの一つが、働き方や業務の見直しだろう。感染防止対策として、時差通勤やテレワーク(リモートワーク、在宅勤務)、業務を複数のチームに分散して行うことで同時感染を防ぐスプリット・オペレーションの導入など、さまざまな取り組みが行われている。テレワークについては、東京2020オリンピック・パラリンピック開催期間中の首都圏における交通混雑の緩和を目的として、政府が実施方針を発表し、東京都内の企業を中心に試行や導入が進みつつあったが、緊急事態宣言の発出を受け、一気に導入が広がった。内閣府が6月に公表した調査結果によると、全国で34.6%、東京23区では55.5%がテレワークを経験したと回答している。

テレワークの普及を受け、場所にとらわれない新しい働き方も模索されている。たとえば、総務省が推進する、地方のサテライトオフィスで都市部の企業の仕事を行う「ふるさとテレワーク」や、仕事と休暇を組み合わせた「ワーケーション」を取り入れる動きも出てきている。一方で、意思疎通の難しさなどさまざまな課題も見え始めてきた。オフィスのあり方も改めて問い直されており、オフィススペースの削減や移転を検討する企業も増えている。また、これを機に、業務のデジタル化やDXへの取り組みも加速している。

変化を乗り越え、さらなる成長につなげる

コロナ禍は、企業の事業継続計画(BCP)にも影響を与えた。これまで多くの企業では、大規模地震や台風などの特定事象を想定してBCPを策定する傾向があったが、今回のパンデミックのように想定していなかった事態に直面した際にどのように対応していくかという問いが突き付けられた。また、感染拡大は世界中で同時多発的に起こったため、グローバルな分業化が進むサプライチェーンにも混乱が生じ、衛生用品などで供給が滞るケースも見られた。多様化するリスクに対応していくためにも、BCPの見直しはもちろん、想定外の危機に直面した際に柔軟に対応していくための戦略も再考する必要がある。

さらに、コロナ禍による影響範囲を俯瞰で捉えると、企業のあり方やビジネスモデルにも変革が求められている。たとえば、インバウンドへの依存度が高くなっていた観光地や地方経済は、今後の戦略を検討せざるを得ない。飲食店はテイクアウトなどの新たな収益源を模索しているが、今後も継続するとなればビジネスモデルや業態を変革する必要が生じる。消費者心理にも変化が見られ、ライブのオンライン配信など、新しいサービスや商品が求められている。今、企業には、自社の価値を見直し、持続的な成長・発展につながる取り組みや改革を進めることが求められている。With/Afterコロナ時代に順応するため、企業は経営戦略をどのように変革すべきなのだろうか。これからのサステナブルな企業のあり方を考える。

取材・文/編集部 写真/栗原 剛、ピクスタ

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