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[特集] With/Afterコロナ時代のサステナビリティ

With/Afterコロナ時代に必要なESG経営の本質

さまざまな産業が大きな影響を受けたコロナ禍。「ニューノーマル」に適応した新しいビジネスのあり方が模索される中、ステークホルダーと協働を図ることで危機を乗り越えようとする企業も現われている。
With/Afterコロナ時代に必要とされるESG経営とはどのようなものだろうか。

コロナ禍で改めて問われるようになったのが、ESG(環境・社会・ガバナンス)を考慮した企業経営だ。社員の健康を守る観点から行われたテレワークの導入、飲食店や学校の休業などで余剰が出た食材や農産物の購入支援など、さまざまな取り組みが行われている。

小売・店舗事業を展開する株式会社丸井は、新型コロナウイルス感染拡大を受け、いち早く取引先支援を表明した。背景には、グループが掲げる共創理念やESGを踏まえたサステナビリティ実現への取り組み方針があった。丸井グループでは、全てのステークホルダーとの共創により、課題を価値に変えていく「共創サステナビリティ経営」に取り組んでおり、2050年に向けて、「すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブで豊かな社会」の実現に向けたロードマップを策定し、さまざまな取り組みを推進している。

同社は、緊急事態宣言が発出される前に、全ての取引先に対して、どのような対策が望ましいかを尋ねるアンケートを実施した。取引先からは、「固定家賃の減額」「敷金からの充当」といった対応を望む声が多く、「スピード感のある対応」「固定費の削減」「長期的な支援」へのニーズも高かったという。

アンケート結果を受け、4月9日には、同社の店舗に出店している取引先に対して、3月期分の固定家賃および共益費の10~15%減額と最低保証売上の撤廃を実施し、希望に応じて敷金1カ月分の返却を行うこととした。さらに4月24日には、休業期間中の家賃および共益費の全額免除、最低保証売上の6カ月間撤廃、希望に応じた敷金1~2カ月分の返却や5~7月期支払いの6カ月間猶予などの対策を打ち出した。敷金返却については約3割の取引先が希望するなど、多くの反響を得たという。

さらに7月14日には、パートナーシップ強化策の一環として、取引先に対する「家賃支援給付金申請サポート」を開始した。6月に政府が支給を決定した「家賃支援給付金」は、中小企業や個人事業主向けに地代・家賃の負担を軽減するための施策だが、手続きが煩雑で、そのガイドラインは110ページにも及ぶため、取引先から「手続きがよくわからない」「申請に必要な書類を揃えるのに時間や手間がかかる」といった声があったという。そこで、申請の概要を5ページにまとめた資料を作成し、サポートダイヤルを開設して制度の対象となる取引先からの問い合わせに対応することにした。

そのほか、協業先であるネットショップ作成サービスを提供するBASE社と協力して、店舗でのイベントが中止となった取引先の販路拡大に向けて、ネットショップの開設支援も行っている。ネットショップを通じて、ショップや商品の知名度を向上させることで、店舗イベント再開後の集客につなげる相乗効果も生み出そうとする、Afterコロナも意識した取り組みだという。

同グループが目指す共創サステナビリティ経営は、ステークホルダーの利益を調和・拡大させ、新たな価値を創出することだ。同社にとって、取引先は、重要な共創パートナーだ。だからこそ、取引先に対する取り組みは、短期的視点でなく長期的な視点を前提として考えているのだという。

With/Afterコロナ時代におけるESG経営とは、自社を取り巻く全てのステークホルダーがこの大きな変化に適応し、持続的に存在できるよう、協働し互いに支援するような取り組みになるだろう。

丸井グループの「6ステークホルダーガバナンス」
図1

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