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社会動向レポート

インバウンド医療観光成立の条件―日本で医療観光を立ち上げるための支援策のあり方

社会経済コンサルティング部
次長 仁科幸一

1.脚光を浴びる医療観光

最近にわかに、「医療観光」(メディカルツーリズム)が注目を浴びている。医療観光を、治療を目的とした旅行と考えれば、国内で完結する温泉湯治や転地療養も含まれる。しかし、現在、脚光を浴びている医療観光は、特に経済成長の著しい東アジアを中心とする海外からの受け入れ(インバウンド・inbound)であり、本稿では考察の対象をこれに限定する。

流行の震源地がどこにあるかは特定しがたいのが常であるが、2010年6月に閣議決定された「新成長戦略」の「七つの戦略分野」の一つに「健康」が取り上げられ、医療観光がその方策の一つとして位置づけられたのは象徴的な出来事である。

新成長戦略では、「ライフ・イノベーションによる健康大国戦略」というスローガンの下、「ライフ・イノベーション(医療・介護分野革新)を力強く推進することにより新たなサービス成長産業と新・ものづくり産業を育てるチャンス」であり、「高い成長と雇用創出が見込める医療・介護・健康関連産業を日本の成長牽引産業として明確に位置付ける」と宣言する。その一環として、「アジアの富裕層等を対象とした健診、治療等の医療及び関連サービスを観光とも連携して促進していく」としている。いうなれば、医療観光の振興は「国策」となったといっていいだろう。

2.医療観光は成長牽引産業を支えるビジネスたりうるか

医療観光の市場規模について推計根拠が明示されているものは意外に少ない。その中で、政策投資銀行(DBJ)のレポートは1、推計根拠を明示して第三者の検証が可能な形態で公表したことに敬意を払いたい。

(1)健・検診を中心にした医療観光の市場規模

DBJレポートでは、わが国の2020年の潜在的なインバウンド医療観光市場規模を5,507億円(観光分を含む)、うち純医療分(医療機関の収入)を1,681億円と推計している。また、中国・ロシアからの健・検診を目的とする来日者数を36.6万人2と推計している。

この推計に対して、二木立教授(日本福祉大学副学長)は3、純医療分の推計額は「2020年度の推計国民医療費47兆円のわずか0.36%にすぎず、とても『成長牽引産業』とは言えません」と指摘。さらに、推計のプロセスを検証し、中国・ロシアの「富裕層の三分の一以上が医療ツーリストになり、しかも彼らの5割近くが、医療ツーリズム後進国である日本で治療を受けると仮定するのは、あまりに浮世離れしています」としている。

確かに、中国やロシアからの医療ツーリストを狙っているのは日本だけではない。韓国政府は日本より数年早くインバウンドの医療観光の誘致に乗り出しており、地理的に日本よりも極東ロシアや中国北部に近い。また、台湾の現政権は大陸中国との関係強化に積極的なこと、患者と医療スタッフとの文化・言語的な障壁が低いことから、中国からの患者受け入れについては、わが国よりも潜在的な優位性が高いとみてよいだろう。

以上から、二木教授が指摘する通り、2020年の潜在的医療観光の市場規模5,507億円(観光含む)、うち純医療分(医療機関の収入)1,681億円は過大推計の懸念が払拭できないし、仮に過大推計ではなくとも、この規模では成長牽引産業を支えるビジネスとまで言い切るには疑問がある。

図表1 BJレポートが予測する医療ツーリズムの潜在的市場規模(2020年)

図表1 BJレポートが予測する医療ツーリズムの潜在的市場規模(2020年)

図表2 北海道民・沖縄県民の入院施設所在地別推計患者数

図表2 北海道民・沖縄県民の入院施設所在地別推計患者数

(2)治療を目的とした医療観光の市場規模

DBJレポートの推計方法は、中・露については健診・検診患者を対象にしたものであり、治療を目的とする患者や歯科治療患者は含まれていない。確かに健・検診の代表ともいえる人間ドックは、訪問先の一つとして1~2日程度の人間ドックを用意するという形で商品化しやすい。しかし、医療全体でみた場合、健・検診の占める比率はそれほど大きくはない。そこで、あまり議論が本格化していない治療を目的とした医療観光の市場規模について考察してみたい。

1.手がかりとしての日本国内の遠隔地入院

どれくらいの患者が治療を目的として遠隔地の医療施設に入院するかをさぐる手がかりとして、隣県と地理的隔絶性が高い北海道と沖縄県在住者がどのくらい他県の医療施設に入院しているかをみてみよう。厚労省が実施する「患者調査」の推計によれば、2008年の特定日に道・県外の医療施設に入院した人口100万人あたりの患者数は、北海道54人、沖縄県73人である。

前掲のDBJレポートでは、2020年の中国の富裕層人口を2,288千人4としているので、仮に沖縄県と同等に1日に人口100万人あたり73人が遠隔地(国外)の医療施設に入院すると仮定すれば、1日あたりの入院者数は166人5ということになる。

2.治療を目的とする医療観光の潜在市場規模

日本と中国を比較した場合、医療サービスの質やアクセシビリティは、北京や上海といった大都市を除けば、潜在市場を拡大する可能性が強い。一方、患者の経済的負担(特に韓国などの競合国と比較した場合)、診療時の障害となる言語・生活習慣の相違などは、ニーズを縮小する可能性が強い。これらを定量化することが困難なため、定量的に潜在市場規模を提示することはひかえるが、拡大要素よりも縮小要素が多く、前掲の166人を大きく上回る可能性は低いだろう。

これまで見てきたように医療観光は、わが国の「成長牽引産業」を支えるビジネスにもならないし、医療機関が海外富裕層に目を奪われてわが国の医療崩壊をもたらすことにもならない程度の規模でしかないというのが結論である。

3.医療観光振興の意義

それでは、政策的に医療観光の振興を図る必要性はないのか。結論から先にいえば、医療観光を振興する意義は小さくないと著者は考えている。

医療を産業としてとらえれば、医療機関で実施される診療が医療の全てではない。薬剤、診療材料、検査機器など様々な関連産業の製品が診療を支えている。そしてこれらの多くが、他の工業製品と同様に海外の企業と国際的な競争を繰り広げている。医療機器が消費財と決定的に異なるのは、製品を輸出すればすぐに現地で活用できるというものではないということだ。薬剤、診療材料、検査機器のいずれも、これらを活用することができる医療人材が輸出先にそれなりの規模でいなければ輸出は成立しないし市場も拡大しない。わが国の医療関連産業の振興を図るためには、輸出先国の医療人材の量の拡大と質の向上を図り、日本製品を選択してもらうために輸出先の医療人材をひきつける「日本ブランド」の確立が同時に求められるのである。

このように考えれば、医療観光の振興は第一義的には海外からの患者の受入であったとしても、これを円滑に進めるために海外の医療人材を受け入れ、あるいはわが国と海外の医療機関との連携の形成・深化を図ることは、わが国の医療関連産業の国際競争力の基盤となるのではないだろうか。

確かに現在のわが国において、民間企業でもできることを政府が行うことに合理性がないことは論を俟たない。ならば政府は何もなすべきことがないかというとそうではない。個々の民間企業ではできないが中・長期的に意義がある課題に政府は乗り出すべきであり、海外の医療人材の質の向上と日本ブランドの確立は、成長戦略の一環として政府が積極的に乗り出すべきテーマではないだろうか。特に治療を目的とした医療観光の振興は、その具体策の一つとして、意義のある取り組みと考えている。

4.治療を目的とした医療観光を成立させる条件

以下では、政策的に治療を目的とした医療観光の現実を支援していく際の論点と方向性を提起してみたい。

(1)検討の論点

1.どのような診療が医療観光に向くか

政策的支援を行うにあたり、日本の診療のどこに比較優位性があるかを見極め、強みの発揮できる分野に集中的に政策支援を行うというのが常識的な発想であろうが、これはなかなか難しい。医療は専門化・細分化が著しく、医師であっても専門外の診療のことは判断しにくいからである。

一方、医療観光に向かない診療は比較的容易に判別できる。診療に患者との複雑なコミュニケーションが必要となる場合が多い精神科領域の疾病や生活習慣病のように生活習慣改善指導も含めた反復・継続的な診療を要する疾病は難しいだろう。それ以外については、患者が長距離の移動にたえられるかどうか、送り出し国でも十分に対応することのできる診療であるか否かなどが絡むため、診療科や疾病では一律に判断しにくい。

逆に、これら「向かない要因」をてがかりにすれば、医療観光に向く診療の条件は、(1)手術・処置を比較的計画的に実施することができ、かつ手術・処置後の継続・反復的な診療の必要性が低い診療、(2)送り出し国では技術的あるいは体制的に受診が難しい診療である。前者の例として白内障の手術や人工関節置換手術、後者の例として回復期リハビリテーションや高度な放射線治療が考えられる。

2.どのように患者を集めるのか

たびたび胸が締めつけられるように痛む(虚血性心疾患が疑われる)患者が海外での治療を旅行代理店に相談するということは、常識的にあり得ない。まずは地元の医師の診察を受け、必要であれば国外での治療を検討することになるはずだ。つまり、治療を目的とした医療観光の最も有力なエージェントは現地の医療機関(医師)なのである。

3.受け入れの条件整備

受け入れにあたって問題となるのが、言語と生活文化の相違である。言語については、健・検診のように比較的定型的な診療であれば、結果の説明も含めてある程度習熟した通訳でも対応可能であろう。しかし治療を前提とした場合、刻一刻変化する症状を的確に把握するためにも、十分な医療知識をもった人材が24時間体制で求められる。

また、入院中の喫食期間は治療内容によって様々であろうが、1週間を超えるとなれば、食習慣の相違からくる不満が高まることが懸念される。しかも想定する患者が富裕層であれば、その不満はさらなりだ。もちろん特別食が用意されることになろうが、外国の食文化をふまえ、療養上の条件を満たし、富裕層が満足できる一定の質の食事を1日3回提供し続けるノウハウはわが国の医療機関にあるのだろうか。

ごくたまにしか来ない患者ためにこうした受け入れ条件を整備するのは至難の業であるし、仮に整備したとすれば、患者の経済的負担が重くなり、競合国との価格競争性を低下させることになるだろう。

(2)医療観光の本質は国際的な医療機関連携

1.連携強化は医療経営の要

今日の診療は専門化が著しく、診療機器の重装備化と医師の専門分化が並行して進展している。このような中、病院経営の視点からみれば、病院は自院の守備範囲を明確に定め、これに見合った診療体制(専門医等の人材と診療機器・設備)を整備し、それにふさわしい患者を確保し、守備範囲とする診療が完結すれば他の病院に委ねる。これによって、持てる経営資源を最大限有効に活用(最適化)する6。これが病院にとっての一種のビジネスモデルであり、高度専門的な診療を担う病院では、診療所や他の病院からふさわしい患者を紹介してもらえるような取り組みを行っている7

2.医療観光にも不可欠なビジネスモデルの設計

医療観光には不向きと述べた生活習慣病の代表ともいえる糖尿病を例にとろう。糖尿病治療の目標は継続的な血糖値管理であるが、中・長期的には、細小血管障害(網膜や腎症など)や動脈硬化性血管障害(脳血管障害や虚血性心疾患など)を回避することにある。この場合、日常的な診療を担う診療所の医師が定期的な診療を通じて血糖値を管理しつつ、検査機器や専門医を擁する病院が半年から1年の間隔でこれらの合併症の状況を評価し治療方針を共有する。これによって診療の質を確保しつつ、診療所は過剰な投資を回避し、病院は施設・設備・人材を有効に活用することができるようになる。これが、糖尿病診療のビジネスモデルである。

このような考え方は、国内であっても海外であっても本質的には変わらない。もし、わが国で高度な糖尿病診療に取り組む医療機関と、送り出し国で糖尿病診療に取り組む医療機関とが、お互いの役割を見定めて協力体制を組むならば、糖尿病も医療観光の俎上にのせることができる。このように、送り出し国との診療の役割をどのように見定め、具体的なビジネスモデルの用意があるかないかによって、受け入れ可能な患者の範囲は大きくも小さくもなる。

(3)医療観光の振興に向けてなすべきこと

1.振興施策展開の道筋

第一のステップとして、まずは医療施設に医療観光に取り組む意欲をもってもらう必要がある。いささか誇張気味な市場規模推計も、産業振興策という点では目くじらを立てるべきものではないのかもしれない。

第二のステップでは、意欲をもった医療施設が事業化が可能かどうかを適切に判断してもらうための情報を提供するとともに、個々の医療施設では取り組みにくいことに対する具体的な支援策を検討・準備する必要がある。この段階で、実現可能性が高いと考えられる施設とのモデル事業を通じて、ビジネスモデルの具体的検証や課題の把握がなされることになる。

第三のステップでは、モデル事業やその他の実施事例を踏まえ、各種支援施策の軌道修正を図り、対応すべき問題があれば必要な措置を講ずることになる。

現状は第一のステップから第二のステップの過渡期にあると著者は考えている。以下では、振興に当たる行政当局が取り組むべき課題を示すことにする。

2.ビジネスモデル構築のための支援

1)連携事例の集積

現在、全国的に地域連携クリニカルパスの作成が進められている。これは、疾病・診療ごとに地域の医療機関間の連携モデルを設計したものである。経済的な側面からの検証が十分とはいえない面もあるが、これらを収集・分析した結果は、国境を越えたビジネスモデルの検討に有益である。

2)海外情報の収集

ビジネスモデルが成立するか否かの検討には、送り出し国や競合国の状況把握が不可欠である。例えば、送り出し国で高度治療施設や専門医が不足しているのであればビジネスとして成立する可能性があるが、同種の診療が競合国ではわが国より廉価に提供されるのであれば事業化は難しい。また、競合国と考えられる韓国や台湾では国民皆保険制度が定着しているが、特定の診療が保険の対象外とされていれば、これらの国からもわが国への誘導可能性があることになる。この種の情報を個々の医療機関で収集・分析することは容易ではないため、公的な支援施策として情報提供に取り組むことは有意義であろう。

3)情報発信の強化

どうすれば現地の医師が患者を日本の医療機関に紹介しようと判断するか。国の違いはあれ、医師は患者の治療にとって有益でなければ患者を紹介しようとは考えないはずである。フィーを払えば患者を紹介してくれるというわけではない。

そこでまず必要になるのは、わが国の医療のパフォーマンスに関する情報発信である。例えば、平成19年からスタートした医療機能情報提供制度によって、全国の病院のスタッフ数や専門医等の数、治療内容と取り扱い症例数などがインターネットを介して調べられるようになった。もちろん、これだけで医療機能を評価するのは難しい面はあるにせよ、これを英訳するだけでもそれぞれの医療機関のパフォーマンスを説明する材料になる。

こうした取り組みも、各医療機関で実施するのは困難であるとともに、比較するという点では一定のフォーマットの下で標準化された情報提供が必要なはずである。こうした情報提供の基盤作りも、公的支援施策としては有意義だろう。

4)医療人材の交流強化

情報発信の強化は必要であるが、海外の医師や患者の信頼を得るという点で十分というわけではない。わが国で行われている診療全般への信頼の獲得、いうなればブランドの確立が必要なのである。このために確実な方法は、海外からの研修人材の受け入れである。

仮に来日した人材がわが国で高度な診療技術を習得して帰国後に活躍すれば、母国の医療界で指導的な立場を占める可能性があり、継続的に日本の診療技術に対して注目することが期待される。もちろん、全ての人材がそのようになるという保証はないが、来日した人材の多くに魅力を提供できないようであれば、そもそも、海外から患者を集めること自体に無理があるのではないだろうか。

現在でも日本の免許を持たない海外の医師・歯科医師受入については、臨床修練制度が存在するが、医師についてみると、平成21年度は41人、平成20年度は48人にとどまっている。こうした中で、現在、手続きの簡素化が検討されており、来年度には実施される予定である。こうした規制緩和に意味があることは認めるが、加えて、この制度を積極的に利用してもらうための情報提供や環境整備等にも取り組むべきである。また、この制度が人手不足対策に堕することのないよう、受け入れ病院の要件緩和については慎重であるべきだろう。

5)療養環境の整備

来日患者の数が限られているとすれば、言語や生活習慣の壁を個々の医療機関で解決するのが困難であることは、前述の通りである。そうであれば、限られた人材や体制を効率的に活用するためには、受け入れる医療機関を厳選すべきである。行政が選別を行わないというのは、一定の競争力がついてからの話ではないだろうか。

5.ソフトパワーとしての日本の医療

一国の国力を構成する要素として、軍事力と経済力に加えてソフトパワーにも注目すべきという議論がある。ソフトパワーのとは、平たくいえば、外国の人びとを引きつける魅力といっていいだろう。

わが国のソフトパワーとして、サブカルチャーが話題に上ることが多いようだが、著者は、わが国の医療は世界に誇るべき魅力があると考えている。もちろん、現在の日本の医療に課題が多いことは否定できないとしても、多くの医師を筆頭とする専門職の技術とモラル、そして成果は、世界に誇るべき面が多々存在するのではないだろうか。

恐らく、わざわざ日本まで受診のために来日する患者は健・検診を含めてもそれほど多くはなく、医療観光は大きなビジネスにはならないのかもしれない。しかし、各国の医療人材に、ひいては各国民に日本の医療ファンをつくっていけば、日本製の薬や診療機器の市場拡大に有益に作用するはずであることは前に述べた通りだ。またそれに加えて、日本の高度な医療技術が海外に普及することは、それ自体が国際貢献にもなるはずだ。

  1. 「進む医療の国際化-医療ツーリズムの動向」(政策投資銀行 今月のトピックスNo.147-1 2010年5月26日)
  2. 2020年時点の「年間世帯所得15万ドル以上の富裕層の人数」×「海外での健診・検診の希望割合(35%)」×「受診希望国(日本・45.7%)」。
  3. 二木立「日本政策投資銀行レポートの検証」(日経メディカルオンライン 私の視点 2010年11月18日)
  4. 前掲のDBJレポートでは年間世帯所得15万ドル以上の人口を富裕層と定義しているが、原出典が明示されていないため、同レポートで推計時に使った補正係数の逆数を乗じて富裕層人口を逆算した。なお、「World Wealth Report 2010」(Merrill LynchWealth Management)(http://www.muml-pb.co.jp/companyinfo/pressrelease.asp)では2009年の中国の富裕層(100 万米ドル以上の投資可能資産の保有者)を477千人と推計しており、今後10年間の経済成長を見込んだとしても乖離が甚だしい。医療観光のターゲットをどのレベルの富裕層とみることが妥当であるかは精査が必要だろう。
  5. 遠隔地に入院する理由は「居住地では満たされない医療ニーズ」の他、「旅行中に事故・発病」や「介護等の社会的事情」が考えられるが、患者調査では後者を分離できない。
  6. 例えば、高度・専門的な診療を担う病院で循環器専門医が風邪や軽い胃炎の患者ばかり診療しているようでは、高額の費用を投じて整備した設備も放射線技師等の医療スタッフも高額な診療材料も出番がなく、その費用がムダになってしまうし、専門医の腕も鈍ることになる。
  7. 著者が関わったことがある病院の例では、地域の診療所の医師からの患者紹介を重視し、勤務医師の専門や診療実績をまとめたプロフィール集の定期配布、診療所医師との共同カンファレンス(症例検討会)や専門医による最新診療技術の講習会の開催を通じた診療プロトコルの共有と信頼関係の醸成、紹介患者の優先診療、これらを組織的に推進する地域連携室(いうなれば営業部署)の設置を進めて成果をあげている。
  • 本レポートは当部の取引先配布資料として作成しております。本稿におけるありうる誤りはすべて筆者個人に属します。
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