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インバウンド観光を起点とした外国人顧客向けマーケティング施策の検討

訪日外国人の再購買に関する調査

2016年8月
みずほ情報総研株式会社

要旨

本調査の主な結果

訪日外国人の6割以上が、日本で買った商品を帰国後に再購買

  • いずれの商品種別においても、訪日旅行中の購入者の7割以上が帰国後に同じものを買いたいと感じている。さらに6割以上の人が訪日中に買った商品を帰国後に再入手している。

商品の高品質、ストレスフリーな買い物経験等が帰国後の再購買に影響

  • 訪日旅行中に買った「商品の品質の高さ」や、「店舗の場所や店舗内の案内のわかりやすさ」「店舗の雰囲気」「店員の接客態度」等に対する満足が高い人ほど、帰国後に再購買したいと思う傾向がある。

現地での商品価格や品揃え、ECの配送料が再購買のハードル

  • 帰国後に再購買しない理由で当てはまるのは、「現地店舗に商品が置いてないから」「現地店舗に商品は置いてあるが、価格が高いから」「越境EC(*1)で商品を日本から取り寄せられるが、送料が高いから」。

本調査から得られた示唆

帰国後の再購買行動を促すようなマーケティング施策が有効

  • 訪日旅行を通じて外国人の顧客ロイヤルティ(*2)を高めるようなマーケティング施策を行うことで、中長期的な事業の成長を支える外国人顧客基盤を構築することが有効である。
  • その実現のためには、訪日中の買い物満足を向上させる等の取り組みにより、帰国後に再購買したいという感情を高めるとともに、現地での商品価格・配送料や品揃え等の購買行動に対する障壁を取り除くことが必要である。

  1. *1越境ECとは国外の事業者(販売者)から国境を越えて商品を購入する電子商取引(EC:Electronic Commerce)のこと
  2. *2顧客ロイヤルティとは、顧客が持つ企業や商品に対する信頼度や愛着度を示す言葉

調査の背景と目的

【背景】インバウンド市場のリスクやグローバル化を背景に高まる外国人顧客基盤の重要性

  • 2015年の訪日外国人旅行者数は1900万人を超え、消費拡大が続いている。
  • インバウンド市場の拡大は、日本企業の成長にとってプラス要因であるが、様々な外的要因リスクが存在することから、中長期的に外国人顧客との関係を構築するための対策を講じることが求められる(*)。
  • 一方で、少子高齢化等を背景にグローバル市場に活路を求める日本企業にとって、日本人のみならず外国人顧客のロイヤルティ向上(自社や自社製品のファン獲得)が今後ますます重要である。
  • これらの状況を踏まえると、インバウンド市場の拡大を契機として、外国人顧客のロイヤルティを向上させるという考え方は、日本企業が中長期的に成長するための戦略オプションの一つになると考えられる。

【目的】訪日旅行を通じた外国人顧客向けマーケティング施策の検討

  • 訪日旅行を介して外国人顧客のロイヤルティを向上させるために、日本企業が実施すべきマーケティング施策の検討材料を得ることを目的として、訪日外国人の訪日前/訪日中/訪日後の購買行動・意識に関する調査を実施した。
  • 外国人顧客のロイヤルティを、自国への帰国後の再購買行動へと結びつけ、中長期的な成長を支える顧客基盤にすることを狙う。

調査仮説

  • 本調査では、「帰国後、訪日中に買った商品を現地で再購買する外国人」を、ロイヤルティが高い外国人顧客と考えた。なお、ロイヤルティは「再度買いたいと思う」という感情的ロイヤルティと、「実際に買う」という行動的ロイヤルティの2段階を想定した。
  • その上で、訪日外国人が訪日中の日本リアル店舗での購買経験を介して、商品や店舗を気に入り、帰国後に現地リアル店舗やバーチャル店舗でリピート購買するというロイヤルティ形成プロセスに着目した。
  • そういったロイヤルティについて、形成有無、訪日前・訪日中の消費者の経験・行動の影響、阻害要因を分析した。

図表1

  1. 注)図では外国人の購買行動プロセスを、「商品に認知・興味・関心を持つ」「商品を購買する」「商品をリピート購買する」の3プロセスに簡略化した。
    また、外国人との接触チャネルを「現地リアル店舗」「日本リアル店舗」「バーチャル店舗」に分類し、購買行動プロセスとチャネルの組み合わせを模式化している。

調査方法

  • 本調査では訪日旅行経験のある外国人へのWebアンケート調査、および訪日旅行中の外国人インタビュー調査により、訪日外国人の購買行動を把握した。

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  Webアンケート調査 インタビュー調査
調査対象者の抽出先 楽天リサーチ(株)のWebアンケート調査モニター (株)フリープラスの提携先旅行会社のツアー旅行に参加している訪日旅行中観光客
調査対象者* 中国人、タイ人、台湾人各200名
(合計600名)
中国人5名、タイ人3名、台湾人4名
(合計12名)
抽出条件
  • 過去1年以内に東京を観光目的で訪問したことがあること
  • 訪日時に買い物をしていること
  • ツアー中に東京で買い物をする時間帯が設けられていること
実施期間 2016年3月2日~8日 2016年3月1日~31日
調査項目
  • 訪日中の購買内容・目的
  • 訪日中の購買経験に関する満足度
  • 訪日前の情報収集行動
  • 帰国後の口コミ行動
  • 帰国後の再購買意向・再購買行動  など
  • 訪日中の購買内容・目的・訪問店舗
  • 買い物をした商品や店舗を選択した理由
  • 訪日中の購買経験に関する満足度
  • 帰国後の再購買意向  など
  • *本調査では、直近の訪日消費額と消費額の伸び率の高い国・地域を選択した。

調査結果


  • 本レポートは当部の取引先配布資料として作成しております。本稿におけるありうる誤りはすべて筆者個人に属します。
  • レポートに掲載されているあらゆる内容の無断転載・複製を禁じます。全ての内容は日本の著作権法及び国際条約により保護されています。

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