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社会動向レポート
保護者の意識調査の結果から

未就学児を中心とした子どもの情報通信端末の利用実態と効果(1/2)

経営・ITコンサルティング部 コンサルタント 岡松 さやか

弊社では、総務省の委託を受け、0~6歳児の未就学児と小学生の保護者を対象に情報通信端末の利用状況や保護者の意識の把握を目的とした調査を実施した。本稿では、当該調査の結果から分析と考察を行う。

はじめに

スマートフォンやタブレット端末といった操作が容易な端末の普及や、低年齢の子どもを対象としたアプリケーション(以下、アプリ)の登場により、近年、0 ~6歳児(以下、未就学児)が情報通信端末(以下、ICT端末)に触れる機会が急速に拡大している。保護者は子どもに教育や遊び等の目的に応じて端末を使用させていると考えられるが、その現状は明らかになっていない。そこで、総務省 情報通信政策研究所では、「未就学児のICT利活用に係る保護者の意識に関する調査」を実施し、未就学児を中心とした子どものICT端末やアプリの利用状況、ICT端末を利用することの効果等についての調査を実施した。本稿では、総務省から委託を受けて実施したアンケート結果の分析と考察を行う(1)

1. 調査方法

2015年3月に0~6歳児の未就学児の保護者1,350名を対象に、ウェブアンケート調査を実施した(図表1)。また、未就学児の結果と比較することを目的に、小学1 ~6年生の保護者400名にウェブアンケートを実施した(小学1~3年生の長子を有する保護者、第2子以降を有する保護者で100名ずつ、小学4~6年生の長子を有する保護者、第2子以降を有する保護者で100名ずつを回収した)。

本調査では、子どものICT端末の利用状況を明らかにするため、事前にスクリーニング調査を実施し、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、デスクトップパソコン、携帯電話・PHSの中で少なくとも一つ以上を子どもに利用させたことのある保護者を対象とした。なお、ICT端末の利用には、子どもが自発的に利用する以外にも、保護者が子どもに見せたり、使わせている場合も含まれる。

図表1 回答者の構成(名)
図表1

2. 調査結果

(1)ICT 端末利用率
―4~6歳児の4割以上がICT端末を利用―

調査対象者を選定するスクリーニング調査(回答数:15,806)の結果から、対象年齢の子どものいる保護者に対して、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、デスクトップパソコン、携帯電話・PHSを少なくとも一つ以上利用させたことがあると回答した保護者の割合を示した結果を図表2に示す(本稿では、この割合を「ICT端末利用率」と呼ぶ)。この結果によると、0~1歳児は10%程度、2~3歳児は30%程度、4~6歳児は40%程度である。なお、小学生の結果を見ると、小学1~3年生は51.8%、4~6年生は68.7%であった。

本調査では、同一年齢の長子、第2子以降で結果が比較できるよう調査対象者を抽出した。同一年齢でICT端末利用率を比較したところ、長子よりも第2子以降の方が高い結果となった(図表3)。この傾向は未就学児において年齢が低い方が顕著に現れており、1歳児では第2子以降の利用率が長子の約2倍、0歳児では第2子以降の利用率は長子の約5倍である。小学生においても長子よりも第2子以降のICT端末利用率が高い傾向が見られた。

図表2 未就学児のICT 端末利用率
図表2


図表3 長子・第2子以降別に見たICT 端末利用率(%)
図表3

(2)ICT端末・アプリ等の利用状況
―3歳児以下の68.5%がスマートフォンを利用、年齢が上がるにつれて端末の種類は多様化―

本調査の対象となった子どもが利用しているICT端末を見ると、0~3歳児は68.5%がスマートフォンを利用しているが、年齢が上がるほどその利用率は下がり、ゲーム端末(2)、パソコン等他の端末の利用率が上がる傾向が見られた。小学生はゲーム端末の利用率が高く7割程度となった(図表4/以下、未就学児の結果は0~3歳児と4~6歳児のカテゴリ別に示す)。

子どもが利用しているICT端末の種類の数を見ると、0~3歳児の80.2%が1~2種類の端末を利用しているのに対し、小学生では6割程度が2~3種類の端末を利用している(図表5)。この結果より、年齢が上がるにつれて利用率が低下する端末も見られるが、未就学児から小学生へと子どもの年齢が上がるにつれ、利用端末の種類が増え、ICT端末の利用が多様化していると読み取れる。

利用しているICT端末の機能やアプリとして、未就学児の65%以上が動画閲覧機能を利用している。次いで写真閲覧機能の利用が多く5~6割で、知育アプリは0~3歳児の39.6%、4~6歳児の36.7%が利用している(図表6)。ゲームは、4~6歳児の43.2%が利用しており、小学生の利用率はさらに上昇する。小学生では、インターネット検索機能の利用割合が高く、小学4 ~6年生で39.0%が利用している。

図表4 利用しているICT 端末の種類
図表4


図表5 利用しているICT 端末の種類の数
図表5


図表6 利用しているアプリや機能(%)
図表6

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