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フィナンシャルエンジニアリングレポートVol.27

自動微分によるhigh-order Greeksの計算

2017年6月
みずほ情報総研 金融技術開発部 谷 栄佑

1.はじめに

金融リスク管理やトレーディング業務においてリスクファクターが変動した際のPVの感応度が日々モニタリングされている。このリスク感応度は金融商品の価値を各リスクファクターで微分した式に相当し金融分野ではGreeksと呼ばれ、とりわけ重要な指標として位置づけられてきた。近年、金融商品評価の複雑化と精緻化によってリスクファクターの数は増加傾向にあり、オプション性を有する商品等については1次のGreeksだけでなく、より高次の感応度に起因した価値変動が無視できないため計算コストが増大する。そのため、より精緻で高速なGreeks計算手法として自動微分に注目が集まっている。2015年のRisk誌記事ではCredit SuisseやBarclaysなど外資系金融機関がプレーン商品やCVAのリスク計量に自動微分を適用し計算高速化を達成した旨が報告された。これは欧米でのCVA普及事情とその高速計算ニーズを鑑みれば当然の流れとも言えよう。また2017年のRisk AwardsであるMarketrisk technology vendor of the year(specialist)を自動微分プロダクツやコンサルティングを手掛けているCompatibL社が受賞したことも記憶に新しい。今後もXVAの現実的な計算手法として自動微分を採用する金融機関が拡大することが予想されるため、本稿では自動微分の概要を述べるとともに簡易なモデルに対してGreeksを計算することでその効用を確かめる。

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