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社会動向レポート

既築戸建住宅の断熱リフォームの実態と促進に向けた課題(1/3)

環境エネルギー第1部
コンサルタント 小山田 和代  リサーチアナリスト 長島 圭吾

家庭部門の地球温暖化対策の1つである断熱リフォームは実施費用が高価になるため対策促進が容易ではない。本稿では、消費者と供給者の両面に調査を行い、対策促進に向けた課題と施策への示唆を検討した。

はじめに

2016年5月、日本政府は、地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進するために「地球温暖化対策計画」を閣議決定した(1)。計画では、温室効果ガス排出量を2030年度に2013年度比で26%削減するとし、家庭部門には約40%の削減を求めている。

家庭部門の排出量を削減するための主な対策は、冷蔵庫やエアコン、給湯器等の家電や設備の買い替え、照明のLEDへの置き換え、住宅の断熱化、そしてクールビズなどのこまめな対策である。これらの対策のなかで、住宅の断熱化は、実施費用が高額になるため、対策を促進していくことが容易ではないと考えられる。

そこで今回、既築戸建住宅の断熱リフォームに着目し消費者側と供給者側(建築士や大工、不動産業者)の両側面から断熱リフォーム実施に至るまでの障壁について実態把握調査を行った。

1. 調査概要

消費者側の調査は、断熱リフォーム未実施者と実施者の2つのグループ(以降、調査A(未実施者対象)、調査B(実施者対象))に分けて行った。調査A(未実施者対象)では、約4,000人を対象に、断熱リフォームの認知や断熱リフォームを実施しない理由等について尋ねた。調査B(実施者対象)では約100人を対象に、断熱リフォームを実施した理由や実施の際に苦労した点、期待した効果の獲得状況について尋ねた。

供給者側の調査は、建築士・大工・不動産販売者の合計約500人を対象とし、断熱リフォームの提案経験や勧めて断られた理由について尋ねた(以降、調査C(供給者対象))。各調査の概要と回答者の属性は図表1、図表2の通りである。

消費者側、供給者側の両方において、今回調査における断熱リフォームの範囲は、二重サッシ・複層ガラスの設置、断熱材の設置工事(屋根・天井)、断熱材の設置工事(壁)、断熱材の設置工事(床・基礎)とし、いずれか1つ以上の経験があれば実施とした。

図表1 調査の概要
図表1
(資料)みずほ情報総研株式会社「住宅の断熱リフォームに関する実態把握調査」(2017)

図表2 回答者の属性
図表2
(資料)みずほ情報総研株式会社「住宅の断熱リフォームに関する実態把握調査」(2017)

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