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「認知症の人に対する家族等による預貯金・財産の管理支援に関する調査」調査レポート

2017年5月19日
みずほ情報総研株式会社 社会政策コンサルティング部

調査の背景と目的

【背景】認知症高齢者の増加による日常の金銭管理の需要増

  • 認知症高齢者は年々増加し、2015年時点で約500万人、2025年には約700万人に増加すると考えられている。認知症の発症にともない、日常生活の金銭管理にも支援を必要とするようになる。
  • 認知症高齢者に対する預貯金・財産の管理に対する社会的な支援としては、成年後見制度や日常生活自立支援事業などの仕組みが整えられているものの、必要と推定される人数に対して利用者は少なく、現状では家族・親族が支えていることが多いと考えられる。

【目的】家族等による『預貯金・財産の管理支援』の実態等把握

  • 今回の調査は、家族・親族が担っている預貯金・財産の管理支援の実態、困難、ニーズ等について明らかにすることを目的として実施した。

調査方法

  • 本調査は、2016年10月に全国40歳以上の男女2,000名を対象に、インターネットによるアンケート調査を実施した。

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調査対象 全国40歳以上の男女のうち、認知症の家族・親族がいる者*で、かつ、過去3年以内にその認知症の家族・親族の預貯金・財産の管理を支援したことがある者
調査方法 インターネットによるアンケート調査
調査件数 配布数:約4万件
サンプル(回収)数:2,000件
調査期間 2016年10月6日木曜日~2016年10月12日水曜日
調査項目
  • 家族・親族が預貯金・財産の管理を支援することになった理由
  • 預貯金・財産の管理支援の内容
  • 成年後見制度の利用の状況
  • 預貯金・財産の管理支援の際の負担・困難に直面した経験
  • 預貯金・財産の管理に対する本人の考えの理解
  • 認知症の方の預貯金・財産の管理支援について、相談した(したい)内容
  • 認知症の方にもやさしい金融機関として期待するサービスや仕組み
  • 支援者自身の備えに対する意識
  • *認知症と診断された家族・親族、もしくは認知症の疑いがある家族・親族がいる者

結果の要旨

本調査の主な結果

  1. 家族・親族が預貯金・財産の管理を支援することになった理由として「ATMの操作・利用が難しくなった」が最も多く48.5%
  2. 預貯金・財産の管理の方法は「ATMによる預貯金の管理(本人の代理として実施(本人は不在))」59.8%、内容は「50万円未満の預貯金の引き出し」76.9%が最も高かった
  3. 成年後見制度を利用している者はわずか6.4%であり、「成年後見制度のことは知っているが利用するつもりはない」との回答が55.4%を占めた
  4. 支援する上で「とても負担を感じる」と回答した者の割合が高かった内容は「本人にわかるように説明すること」22.5%、「本人の同意や直筆の委任状を得ること」20.2%
  5. 預貯金・財産の管理について「本人にわかるように説明すること」に「とても負担を感じる」と回答した者の割合は、本人の考え方や希望を「ほぼ把握できている」場合の20.7%に対し、「把握できていない」場合は40.5%と約2倍に増加
  6. 支援に難しさを感じた際に相談できる相手として回答した割合は、家族・親族以外では、「ケアマネジャー・地域包括支援センター職員など介護の専門職」35.3%や「金融機関の職員」29.8%が多く、一方で「弁護士・司法書士など法律の専門職」は10.1%にとどまった
  7. 専門職に相談したい内容は「家・土地の管理・処分に関すること」38.5%、「税金に関すること」38.1%、「相続に関すること」34.3%などが高かった

本調査からの示唆

  • 成年後見制度の利用促進においては、支援者の視点も十分に取り入れるべき
  • 預貯金・財産の管理を支援している家族・親族をサポートする専門職のネットワークへの期待
  • 認知症を発症する前の早い段階から、財産管理について考える機会をもつよう啓発し、任意後見制度等の利用を促進するべき

調査結果


  • 本レポートは当部の取引先配布資料として作成しております。本稿におけるありうる誤りはすべて筆者個人に属します。
  • レポートに掲載されているあらゆる内容の無断転載・複製を禁じます。全ての内容は日本の著作権法及び国際条約により保護されています。

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