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時空間データ分析技術に基づく、実験・観測・シミュレーションデータの高度活用支援

固有直交分解(POD: Proper Orthogonal Decomposition)・動的モード分解(DMD: Dynamic Mode Decomposition)といった時空間データ分析技術に基づく「特徴抽出」「次元削減」「標本生成」を通じて、お客さまの保有する実験・観測・シミュレーションデータを、より高度・有効に活用することを支援します。

サービスメニュー

実験・観測・シミュレーションデータの高度活用支援サービスとして、以下のようなサービスをご提供いたします。

  1. (1)特徴抽出:現象の挙動特性の理解・説明に資する情報の抽出・分析
    お客さまが実験・観測・シミュレーション等で得た時空間分布データから、空間的・時間的な特徴を分離して抽出・可視化し、複雑な現象を理解・説明するための分析・考察を支援することができます。
  2. (2)次元削減:現象の簡易・迅速な推定方法の構築支援
    お客さまが実験・観測・シミュレーション等で得た空間分布データから、類似した新たな条件における現象の推定に関する、計算・実験・観測にかかる費用面・時間面でのコストを最小限に抑えた簡易モデルを作成することができます。
  3. (3)標本生成:現象の人工的な標本生成と統計分析
    お客さまが実験・観測・シミュレーション等で得た空間分布データから、類似条件における場の新たな標本を簡便に生成するモデルを作成することができます。活用例2の低次元モデルも活用して、最小限の実験・観測・シミュレーションコストで標本を多数生成し、現象を統計的に分析することができます。

適用事例

本サービスの適用事例をご紹介します。

データ活用例1.「特徴抽出」→ 現象の挙動特性の理解・説明に資する情報の抽出・分析

お客さまが実験・観測・シミュレーション等で得た時空間分布データから、空間的・時間的な特徴を分離して抽出・可視化し、複雑な現象を理解・説明するための分析・考察を支援することができます。

【事例】円柱周り非定常流れにおける特徴的な挙動特性の分析

非定常流れにおける圧力や流速の時空間データに、モード分解技術PODを適用することで、特徴的に見られる複数の挙動成分「モード」を抽出することができます。

下記の円柱周り流れの例では、各モードが振幅・周波数・位相の異なる定在波として抽出されています。0次モードは元のデータと似た空間分布を持つ時間平均に対応し、1次、2次モードは斑状の空間構造を持つ低周波の時間変動に対応することが分かります。さらに、これらのモード分解結果を可視化したり、別の分析データと比較・対応づけしたりすることで、データの奥に隠れた現象の本質的な挙動特性がより明確になります。


図1

データ活用例2.「次元削減」→ 現象の簡易・迅速な推定方法の構築支援

お客さまが実験・観測・シミュレーション等で得た空間分布データから、類似した新たな条件における現象の推定に関する、計算・実験・観測にかかる費用面・時間面でのコストを最小限に抑えた簡易モデルを作成することができます。

【事例】観測された非定常流れの低次元モデリング

PODにより得たモードの振幅に注目すれば、各モードの現象全体に対するエネルギー寄与率を算出することができます。エネルギー寄与率の大きなモードがごく少数に絞られる場合には、類似した条件同士では共通のモードが卓越すると仮定することで、現象を記述するためのパラメータの数を削減(=次元削減 / 低次元モデリング)することができます。

例えば、100観測点を含む流れのデータにPODを適用した結果、0 ~ 2次モードによる合計寄与率が十分1に近かったとします。このとき、新たな条件での流れ場を理解しようとする際、ステップごとに単純に100観測点全ての値を得る(未知数100個)のではなく、3モードそれぞれに対するパラメータの値を決定する(未知数3個)という方法も可能となります。3つの未知数を決定するには最小で3地点での値を得ればよいので、少数の観測値のみから流れ場全体を簡易に推定できることになります。


図2

データ活用例3.「標本生成」→ 現象の人工的な標本生成と統計分析

お客さまが実験・観測・シミュレーション等で得た空間分布データから、類似した新たな条件における現象の推定に関する、計算・実験・観測にかかる費用面・時間面でのコストを最小限に抑えた簡易モデルを作成することができます。

【事例】統計的ハザード評価のための地震動シミュレーションデータの簡易生成

複数の空間分布データにPODを適用することで得られるモードを特定の規則で様々に合成することで、類似条件における標本を簡便かつ多種多様に生成することができます。

下記の地震動ハザード評価の例では、手動設定した地盤物性分布や震源断層特性等の条件(シナリオ)に基づく複雑で大規模なシミュレーションに関する既存の結果群を用いて、類似した新たな条件(新シナリオ)におけるシミュレーション結果群に対応するデータを簡易生成しています。生成モデルを一度作成すれば、従来何十時間も計算して得ていた新たな標本を、数分以内で生成できるようになります。これにより、多数の結果に関する統計的分析が必要となるハザード評価を、遥かに高速に実行することが可能となります。


図3

左図(長野盆地西縁断層帯飯山-千曲区間)の出典:http://www.j-shis.bosai.go.jp/map/
中央図、右図:モード分解により弊社作成

技術概要

サービスの核となる時空間データ分析技術の一部として、固有直交分解(POD)と動的モード分解(DMD)を紹介します。

固有直交分解(POD: Proper Orthogonal Decomposition)

ある量(任意;流れならば、流速、圧力等)の「空間分布に関する多数のサンプル」からなるデータを、「全サンプルに共通する空間構造」と「全空間に一様にかかるサンプルごとの変動」とに分解します。同時に、各モードの「強度(寄与率)」も特定できるため、少数のモードが現象全体に支配的な影響を与えるような低次元モデルを作成する(スパースモデリング)ことができます。


図4

動的モード分解(DMD: Dynamic Mode Decomposition)

非定常現象におけるある量の「時空間分布」のデータを、「増幅/減衰振動成分」に分解し、「空間構造特性(振幅・位相の分布)」と「時間変動特性(増幅/減衰率・周波数)」とを決定します。また、POD同様、各モードの「強度(寄与率)」を特定することができます。


図5

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